今日(7日)日本政府は「テポドンはハワイ方面を狙って発射されたのではないか」という見解を示した。そう判断した根拠が示されてしないので、正否を判断しにくいが、もし本当なら脅威というより悲喜劇というべきだろう。
悲喜劇というと昨日エコノミスト誌がロケット・マンというタイトルで金正日の狙いは何かということを述べている。ポイントを見てみよう。
- たとえ世界中を神経質させるからといってミサイル発射テストを禁ずる法律はない。より大きな問題は今週の花火製造技術(エコノミスト誌は北朝鮮のミサイルを「花火」といって戯画化している。)で、列国の競争が激しいこの地域を安定させようとする努力を焼いて灰にしてしまったことだ。
- 古い経済と風変わりな指導者により、北朝鮮はしばしば脅威というよりは悲喜劇的に見える。北朝鮮はアジアで一番危険な国ではない。そのいかがわしい名誉はパキスタンに帰属する。
- 金正日の狙いは北朝鮮がイランの様に、更にはインドの様に扱われることである。インドは核不拡散条約に調印(北朝鮮やイラクは調印している)することなく、核爆弾を開発してきたにもかかわらず、最近ブッシュ大統領から核の平和利用技術の提供を受けることになった。(もっとも米国の議会の承認が必要)
しかしハワイを狙ったテポドンが日本海に落ちた・・・こりゃ笑い話だとばかりも言ってはおられない。そんなに不正確なものなら狙ってなくても日本に飛んでくるリスクはある訳だ。そこが大都会だったり、危険物の集積地だったらとんでもないことになる。
確かにエコノミスト誌が言うように、あるいは北朝鮮が言うように、ミサイル実験は権利かもしれない。しかしゴルフでもある程度狙ったところにボールを打てる様になってからコースに出てもらわないと周りが危なくて仕方がない。それと他人のいるところに向かってボールが飛んだら大声で叫ばないといけないだろう。
気違いに刃物(これは差別用語らしいが昔からのことわざなのでご容赦を願いたい)という言葉があったが、金正日にミサイルはご免である。