8月の第一週の金曜日、会社の先輩達と西穂高・独標(2,701m)に登り上高地に下った。快晴・爽やかだけれど満員の頂上・汗だくの下山・楽しい温泉とこれは日本の夏山そのものだった。
木曜日の午後11時の新宿西口発平湯温泉経由高山行きの高速バスに乗車。バスは満席で少し窮屈だが、出発と共に寝入ってしまう。午後4時少し前定刻通りに平湯温泉着。料金は一人5,600円也。帰路に使った路線バスの料金が新穂高・松本間2,800円であることを思えば、極めて良心的な料金といえる。さて平湯のバス乗り場からは予約しておいたタクシーで当日夜泊まる新穂高温泉の水明館に向かう。タクシー料金は5千円強だ。ここで一眠り。6時半頃新穂高ロープウエイ乗り場で岐阜から参加したN君と合流し、一番ケーブルに乗る。ケーブル頂上駅で笠ケ岳の眺望を楽しんだ後、7時40分頃登山開始。8時50分頃、西穂山荘到着。
私はここから50mmマクロレンズ(35mmカメラ100mm相当)を付けたカメラを肩にかけ、花や風景を撮りながら独標を目指すことにする。写真はクルマユリだ。
西穂山荘から独標の間にはそれ程高山植物はなかった。丸山付近でイワツメグサの写真を撮った。
少し登ったところから見た独標は立派だ。午前10時頃だが、独標の上には登山者の姿が見える。
独標の最後の10分程の登りは中々急で最後はちょっとした鎖場が出てくる。皆真剣な顔で岩をよじった。午前10時30分頃独標到着。目の前に吊尾根が見える。左が奥穂高岳、右が前穂高岳だ。
振り返ると焼岳が低く見える。焼岳2,455mよりは2百m以上も高いところにいるのだ。
独標の頂上は狭く20名程の人で喧騒を極めている。岩場を下りだすと妙齢の女性が「トイレに行きたいので追い越させてください!」と言いながら、目の前の鎖を奪うようにして岩を駆け下りていく。と思えば下から元気な小学生が、ロープを引っ張りながら登ってくるという具合で誠にせわしない。よく事故が起きないものだと感心する。
正午前に西穂山荘に戻り、小屋でアイスコーヒーなどを飲んでから上高地へ下山する。道はダケカンバやオオシラビソの茂る樹林帯をひたすら下るものだが、途中宝水(たからみず)と名づけられた水場がある。小さな流れで喉を潤すと汗が引いていく。ただしガイドブックによると水が枯れることもあるというので要注意だ。大きな沢音がする中、最後の急斜面を下ると道は平坦になり、やがて上高地の遊歩道に出た。午後3時だった。独標から上高地への降りは標高差が1,200mあるので人によっては太股にこたえる場合もある様だ。
この後帝国ホテルのカフェが軽くビールを飲み、タクシーで平湯温泉の水明館に向かった。平湯から新穂高へはタクシーで40分、1万円である。
水明館は250名は入ることができるという大混浴の露天風呂が売りものだが、その話は別のブログで書こう。