金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

禿げるよりは太っててもいい

2006年08月24日 | 健康・病気

メタボリックシンドロームという言葉が新聞を賑わせている。我々の昼食時の話題にも「杜仲茶が体脂肪の削減に良い」などということことが上がる様になった。BMI指数24程度の私は後1ポイント約2kg太ると「肥満」の烙印を押されてしまうので、体重問題は今の私の関心事の一つである。

最近ニューファイナンスという地域金融機関向けの雑誌に立命館大学の藤川客員教授が「肥満は社会的な損失を受ける」という小文を書いておられた。もっともこれはアメリカの話である。

  • 男性についてはアメリカの役員の中で過体重の男は9%に過ぎない。下位の管理者には肥満者が40%いる。
  • 女性の場合BMI指数が1ポイント増加すると家計所得は0.6ポイント減少し、職場での地位が低くなる。
  • 1998年の調査では肥満の女性の所得は正常者の所得の4割だった。

要は肥満は所得の減少に繋がるというのだ。

こういう背景もあって、アメリカでは薬で肥満の解消を図る人が多いというのが今日の話である。8月23日のウオール・ストリート・ジャーナルに少し長い記事が出ていたが、ポイントだけ紹介しよう。

  • 51歳の女性教師は、鬱病ではなかったが医者の指導を受けて抗うつ剤等の薬を肥満解消のために服用した。この結果彼女は1年半で135ポンド(約61kg)体重を落すことができた。
  • この様な薬は米国食品医薬局(FDA)から肥満防止薬として認可を受けていない。しかしこれら抗うつ剤、注意欠如障害用薬、糖尿病予防薬、睡眠改善剤等には食欲抑制効果があり、医者が処方箋をだして肥満防止に使っていることがある。これをオフ・ラベル(Off lavel 適応外使用)という。
  • しかし総ての人が医者の処方を受けて、これらの薬を入手し服用している訳ではない。インターネットで購入したり、友人から少量分けてもらって服用している人もいる。
  • オフ・ラベルの薬の使用については議論があるところだ。まずこれらの薬は高いし、保険会社は典型的には適応外使用について保険金を支払わない。肥満防止効果について医師の意見も分かれている。総じて言えば恐らく体重の5%から10%の体重削減効果はあるかもしれないというのが医者の意見だ。
  • 医者の指導なくしてこれらの薬を服用するリスクは副作用である。それどころか医者の指導を受けて服用した場合でも軽い副作用がでることがある。ある女性は癲癇用の薬(Topamax)で、10kgから25kg程度の体重削減を試みたが、結果は殆ど体重が減らないばかりか、軽い記憶喪失、足の痺れと脱毛症の副作用がでた。
  • この患者は「これは軽微な副作用ではない」「私は禿げるよりはデブの方がましだ」と彼女は叫んだという。英語では I would rather be chubby than baldと言ったそうだ。覚えておいて良い短文かもしれないので敢えて掲載した。

日本ではこの様な薬による体重削減を図っている例は多くないと思うが、脂肪吸引等は結構あるようだ。ただしこれも無リスクではないと聞く。いずれにしても後で禿よりはデブで良いなどと叫ばなくて済むようにご用心。

コメント
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