金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

背番号反対者にもの申す

2007年12月17日 | うんちく・小ネタ

業務上毎日目を通している小冊子に「帝国ニュース」がある。帝国云々というと、
右翼がかって見えるかもしれないが、「帝国データバンク」という信用調査会社が
出しているペーパーなので「帝国」の名前が付いているのだろう。従ってその記事や論説は特段右翼がかったものではないと私は信じている。

その「帝国ニュース」にデンマークと比較して日本の国民背番号問題が取り上げられていた。筆者の山田 吉孝氏がいうには「デンマークは、プライバシー保護の点で世界のトップレベルだ。そして国民背番号の導入についても北欧で一番古い歴史を持っている。」
「デンマークでは生まれた時に強制的に背番号が付与される。行政機関はすべて、個人登録番号でデータ管理を行う」

「一方日本では2002年に住基ネットがスタートしたが、一部自治体の造反、憲法違反訴訟を巡って混乱が起きた。今年6月の最高裁の人権不侵害判決で一応収まったかに見えるが、自治体などのネット利用は進んでいない」 ということだ。

日本でも総論としては「社会保険番号・納税者番号づくりが一番理想的」という人が増えてきてはいるようだが、プライバシー原理主義的な「国民背番号反対」論は強力だ。しかし私には「国や地方自治体に対して我々は何か隠すべきものがあるか?」という点が腑に落ちないのである。我々サラリーマンの所得はガラス張りで、国民背番号があろうとなかろうと所得の大層をしめる給与所得は完璧に把握されている。また税金を納めることは市民として当然の義務であり、相応の税金を
支払うことができるということはそれなりの所得があるということで、人間として誇りに思うべきことである。補足されて困るほどの所得はないし、医療費やその他の雑損控除が簡単になるのであれば、納税者番号を導入して欲しいと考えている。

現在社会保険庁の年金記録の不備解消が進まないことについて、国民の不満が高まっている。しかしマスコミは必ずしも「国民背番号の必要」を強力に主張していない様だ。日本には国民の感情的不満をあおる程度の粗末なマスコミしかないのだろうか?一流のマスコミは混沌とした世論に高い見地から方向感を提示するものと思うのだが。

コメント
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