ファイナンシャル・タイムズによると、少なくとも1980年以降では初めて日本株の配当利回りが米国株のそれを上回る見通しである。ソシエテジェネラルのレポートによると、今年の日本株の配当利回りと米国株の配当利回りは2.1%に収斂し、来年には日本株の配当利回りが米国株を上回る見通しだ。
また野村證券の推定では、S&P500の今年の暦年ベースの配当利回りは1.9%でTopixの2011年3月期配当利回りは2.2%になる。
国債との利回り格差を見ると日本株の配当利回りは10年国債より1%程度高い。10年の米国債の利回りは3%程度なので、こちらは国債利回りが1%程高い。日興アセットのグローバル・ストラテジスト・Vail氏は「日本の長期金利は米国より低くて、通貨は弾力性があるので、米国株に較べると日本株は相対的に魅力的に見える」と述べている。
もっとも配当利回りの点から日本株が割安に見えるかも知れないが、必ずしも米国株に較べて日本株の価値が高いとは限らないとFTは述べる。
その第一の理由は米国では自社株買いが活発になっているからだ。企業は配当以外に自社株買いで利益を株主に還元しているので、配当利回りだけに注目すると誤解する可能性がある。
次に金融危機の影響で米国企業特に銀行は、配当を急減させ自社株買いも減少させた。「昨年は配当に関しては史上最悪の年だったが、今年はもっと良さそうだ」とS&Pのシニアアナリストは述べている。
更に投資家は予想「益利回り」Earnigs yeild(一株当りの純利益を株価で割ったもの。株価収益率の逆数)に注目しているが、米国株の益利回りは足元で6.5%、向こう12ヶ月で7.9%になると予想されている。
最後にFTは高配当株に注目する日本の小型投資家は5月以降買い越しているが、日本経済はデフレの最中にいるので、国際的な投資家はまだ日本株に賭けるより国債を持つ方を選好するかもしれないと結んでいる。
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全般的にみると先進国の株で大きなキャピタルゲインを狙う時代は暫く(あるいはかなり長い間)こないだろう。キャピタルゲインは新興国株式で狙い、日本株は配当狙いで持つというのが、個人投資家としては無理のない投資姿勢ではないだろうか?