欧州危機は「勤勉な北欧・怠惰な南欧」というステレオタイプ的なイメージを思い出させるが、あるデータは逆のことを示しているという記事がロイターに出ていた。
記事の元ネタは米国労働省が発表している各国の勤労者一人当たりの年間労働時間の比較だ。
データによると2010年にイタリア人は年間1,778時間働いた。これはドイツ人の1,419時間より25%も長く、フランス人の1,439時間より23%も長い。
スペイン人の労働時間は1,590時間とイタリア人よりはかなり短いがそれでもドイツ人よりは12%も長く働いている。
ロイターの記事はこれはマクロデータで統計上の誤差や生産性および失業を助長するような有害な労働政策の影響は考慮されていないとコメントしている。確かに一部の国では失業者が増えて、一部の就業者にシワ寄せが起きている可能性はありそうだ。ただそのようなことを考慮しても、勤勉な北欧・怠惰な南欧というのは一種のフィクションかもしれない。
因みに日本人の年間労働時間は1,752時間でアメリカ人の1,741時間を僅かに上回るが、韓国人(2,352時間)の4分の3しか働いていない。
なお統計データ上世界で一番労働時間が長かったのはシンガポールの2,409時間で、一番短いノルウェー(1,414時間)の1.7倍も長く働いていた。