今日(12月19日)北朝鮮のテレビ局から金正日総書記が17日土曜日に過労による心臓発作で死亡したと発表した。彼の年齢を69歳と報じているメディアもあれば70歳と報じているメディアもあったが、元々生年月日も生まれた場所も謎に包まれているから当然起こりうる混乱である。
土曜日の死亡が月曜日の朝に公表されるのはかなり遅いと思うが、三男の金正恩への政権移行準備に手間取ったのかもしれない。正恩氏がトップの座に着くことは前から決まっていたが、役割分担については実力者と看做される正日の妹・金賢姫などと色々な駆け引きがあったのかもしれない。
さて2012年は世界各国で大統領選や政権交替イベントが予定されている。1月には台湾の総統選挙、3月にはロシアの大統領選挙、3月には中国の国家主席交替、5月にはフランスの大統領選、そして11月にはアメリカの大統領選があり、12月には韓国の大統領選が控えている。
韓国政府には金正日の死による北朝鮮の政権交替が、朝鮮半島の統一を促進するイベントになるだろうという見方が多い。私もその可能性が高いと考えているが、直線的に統一の動きに向かうとは考えにくい。まず20代後半と言われている金正恩が(良し悪しは別として)正日並のカリスマ性を発揮し、軍部や国民を統制できるとは考えにくい。正恩を担ぐ派閥間の抗争などが北朝鮮の内部崩壊につながる可能性は大きいだろう。
このような北朝鮮の動きやそれが誘発する極東の地殻運動がロシアや韓国、そして場合によってはアメリカの大統領選挙に影響を与えそうだ。
2011年は欧州が揺れに揺れた年。その揺れは来年も簡単には収まらないだろうが、それに加えて2012年はアジアも揺れそうな年だ。日本にとっても外交・国防が一段と重要な年になりそうだ。それは政局にどのような影響を与えるのだろうか?
この場でどの政党の誰?という積もりはないが、「外国に対してきちんとものを言える人」を持ってこないと国益を損ねる懸念が高い時期だと思われる。