金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

経済成長は大人の責任~成人の日に思う

2013年01月14日 | うんちく・小ネタ

今日1月14日は成人の日。朝方の雨は雪に変わり近所の屋根に2,3cm雪が積もり始めた。朝食を食べながらテレビを見ていると成人の日にちなんで若者の意識調査に関する小さなニュースを流していた。細かい点は聞き漏らしたが、要は「今の若者は将来に明るい見通しを持たない人が多い」という話だったと思う。

では今の若者が自分たちを不幸と感じているか?というと統計上はそうでもないようだ。

内閣府が行なっている「国民生活に関する世論調査」によると20-29歳の現在の生活に対する満足度は全年齢階層中一番高く75%だ。年齢別の満足度は年を取るとともに低下し、50-59歳で61%と最低になる。その後再び上昇して70歳以上になると71%に達する。

「去年に比べた生活の向上感」調査でも20-29歳の向上感は一番高く、19%の人が向上したと感じ、悪化したしたと感じる人は10%弱で71%の人は同じと感じている。

生活の向上感が同じと感じている人は全年齢階層を通じて7割前後で余り変わらないが、向上したあるいは悪化したと感じる人は大きく変わる。向上したと感じる人は年齢が高くなるにつれて、50-59歳では3.9%になり、70歳以上では2%になる。

このデータを見ると若者(20-29歳)の「生活に対する満足度」やその一つの基準となる「生活水準の向上感」は長続きせず、30代に入ると低下を始めると推測できる。

手にとって読んではいないが、「絶望の国の幸福な若者たち」(古市 憲寿)という本にはもはや自分がこれ以上は幸せになると思えない時、人は「今の生活が幸せだ」と答えるしかない」ということが書いてあるそうだ。

ところで最近読んでいる「経済成長とモラル」(ベンジャミン・M・フリードマン)の中には、人間の幸福度、言い換えると自分を肯定できるかどうかは2つの基準点(ベンチマーク)を比較することで決まるということが書いてある。

2つの基準点とは「自分自身あるいは家族の過去の経験」と「自分の周囲の人がどのように暮らしているか」であると、フリードマンは述べ、2つのベンチマークが補完的であることを示唆している。つまり「人々が自分自身や親たちの過去の経験という基準点にくらべてより良い生活をしていると分かったとき、他人との比較のウエイトが低下する(だろう)」「自分たちの過去とくらべて進歩したと感じているときには、他の人よりも優っていると感じる必要性は低下する」と述べる。

さらにフリードマンは「ここで経済成長が構図の中に入ってくる。過去にくらべてより良い生活をしているという感覚を人に与え続けることで、持続的な成長は、他人よりも良い生活をしたいという欲望を弱くする

構造改革など社会の改革は全体としてプラスになっても一部の人々にコストとリスクを負担させる可能性があるが、そのコストとリスクの負担を軽減させるのは経済成長ということになる。小泉元首相は「構造改革なくして成長なし」と述べていたが、「経済成長がないと、構造改革に伴う痛みの負担が大き過ぎる」ということも又事実だろう。

「もはや自分がこれ以上は幸せになると思えない時、人は「今の生活が幸せだ」と答えるしかない」という見方が正しいとすれば、それはフリードマン教授につながる伝統的な経済学の通説に対する例外なのだろうか?いや例外というよりアブノーマルな反応と考えるべきだろう。もし若者が痛みを回避するため、このような反応で無意識の内に自己防衛を図っているとすれば、責任は我々にある。

アベノミクスの手法を手放しで評価する訳ではないが、経済成長の重要性を政権の主題にそえたところは正しい。成長する経済を取り戻すことが若者に希望をもたらすのである。そして希望を持つことが、チャレンジ精神を生み、次の成長につながる。

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中央線の旅は3人の倍数がお得

2013年01月14日 | 

年に6,7回つまり2ヶ月に一度程度はJR中央線に乗って信州方面に行っている。目的は山かスキーだ。この2月の連休も八方尾根(駅は白馬)にスキー、3月の初めは北八ヶ岳の高見石から中山峠方面を歩く予定(駅は茅野)だ。

中央線を使って旅をする時、人数が多いとまず「あずさ回数券」の利用を考える。あずさ回数券は6枚綴なので、3人のグループで往復すると丁度一冊がなくなる。だから3人の倍数が得、ということになる。

どれ位得になるのか計算してみた。例えば新宿・白馬の「乗車券+特急指定席券」の片道の値段は8,070円(乗車券5,250円、特急券2,820円)だが、回数券1冊(6枚)は35,100円だから、回数券を使うと片道5,850円になる。割引率27.5%である。また新宿・茅野は片道運賃が5,870円なのに対し、回数券は1枚当たり4,150円であり、割引率は29%だ。

回数券の出発地は新宿オンリーだ。しかし新宿以西の出発地でも回数券の利用が得だ。私は立川駅からあずさ特急に乗ることが多い。立川・茅野の片道運賃は5,130円なので回数券を使う方が得なのだ。暇だから調べてみると八王子・茅野は4,810円なので回数券の利用が得である。

便利な回数券だが、年末年始・GWなどは利用できないという制限や払い戻しには「総ての券が未使用で表紙が揃っている場合」という制限がつく。制約を承知で利用すると得な切符だ。

なお金券ショップでは回数券をばらして1枚から売っているので、一人旅でもあずさ回数券を使うと安く信州旅行をすることができる。もっとも日頃一人旅や二人旅はパソコンから「えきねっと」で切符を予約しているので、こちらは未経験である。

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