相続学会事務局(といっても事務員は私だけなのだが)で、年会費を払って会員になった人に「入会手続きの完了」案内を電子メールで発信することになった。
このプロセスをシステム的に処理するには、次の3工程を検討する必要があった。
まず「パソコン内の文章に学会印を押印する」というプロセスである。無論プリントした紙に押印してスキャナーで取り込むことも考えられるが、会員氏名・登録番号毎にペーパーを打ち出すのは無駄だし、非効率すぎる。
そこで「ワードの差込印刷機能」を使ってパソコン内のワード文章に「会員氏名」「登録番号」「入会金支払日」をデータベースから自動入力し、ワードの「メール送信機能」で電子メールを発信することにした。「ワードの差込印刷機能」の中に「データベースで指定先に連続送信する」機能があるのだが、こちらは使いこなせず、ここは個別発信とした。時間が押しているので機能を勉強する余裕がないので、手作業でさばいたということだ。
さて「マクロ押印」について簡単に説明しよう。マクロとは連続する処理をパソコンに覚えさせて、次回以降はごく簡単な操作で連続処理を行う機能だ。
パソコンでのマクロ押印には次の作業がある。
1.紙に押印した印影をスキャナーで取り込む。後々の処理を考えるとJPEG形式で保存するのが良い。
2.取り込んだ印影をトリミングして、パソコン状で押捺しやすいようにしておく。
3.ワード(私の場合は2007版)を開く。マクロ機能を使うためには「wordのオプション」をクリックし、その中の基本機能をクリックして、「ツールーバー」に「開発」がでるようにしておく。
4.「開発」をクリックし、「マクロの記録」をクリックする。これ以降の作業は「マクロの終了」をクリックするまで自動的に記録される。
5.いよいよ印影の挿入だが、まず印影を入れる四角い枠を作る。具体的には「挿入」→「図形」→四角形を選択し、ワード上で印影よりやや大きい形にしておく。
6.次にワード上の文字に重ねても文字が隠れないように「順序」(四角形の中でダブルクリックするとでてくる)の中の「テキストの背面へ移動」を選択する。
7.次に四角形の枠線を消すため、6.と同じ作業で「オートシェープの書式設定」から「線の色を消す」を選ぶ。
8.「テキストを挿入」を選択して、印影をコピーして貼り付ける。これで終わりだ。ここでマクロの終了を押す。
9。マクロ開始時点でマクロの名前を登録しているから、押印したい時は「開発」→「マクロ」でマクロ名を選択し、「実行」を押す。そうするときれいな印影が現れる。
この印影は最初に作った透明の枠ごとドラッグすることができ、ワード上の文字を乱すことなくオーバーレイすることができる。
まあ、芸というほどのことはないがちょっとした小技だった。ところで「芸は身を助ける」という言葉があるが、私は小技は仕事を増やすのみで見を助けるには至らず、と考えている。
多少パソコンをいじることができると「またお願いしま~す」などということになり、無報酬の雑用が増えるだけなのである。