小さな学会の運営を行っていると、色々な人に世話になることが多い。特にある会計事務所には無料で郵送物の取次をお願いしてご負担をかけている。そこでお歳暮代わりにオフィスで食べて頂けるケーキを送ることにした。
この時期のケーキというとクリスマスケーキなのだが、私はこれが余り好きではない。というのはクリスマスケーキはかなり前から作り置かれているからだ。そこでクリスマスケーキはやめにして、前週に普通のケーキをお届けすることにした。
本来は自分が食べて美味しいと思うお店のケーキをお届けするものなのだろうが、この時期は雑事が多いので、インターネットで手頃なお店を見つけて発注してしまった。画面から美味しそうなケーキを選ぶと「配達日・配達時間帯指定」で届けてくれるので楽だ。
パソコンに向かってちょっと作業をすると、お世話になった人に喜んで貰えそうなプレゼントが直ぐ送ることができるのだから便利な時代になった。
だがその反面ネット取引が既存店舗の売上を侵食する、という現象が起きている。その代表例は海外旅行で56%はネット経由の申込とのこと(12月8日の日経新聞朝刊)。家電もネット取引が1割を超えた、という。私もパソコン周りの消耗品(たとえばインク)はヨドバシカメラかアマゾンで購入することにしている。量販店のインク売り場で、箱に書かれた小さな文字を見ながら使用機種に合うインクを探すというのは結構面倒な作業だ。これに較べて一度製品番号を記録してしまうとネット経由の注文は実に簡便だ。量販店に出かける手間や時間も省略できる。
このような商品は圧倒的にネット購入に軍配があがると私は考えている。
景気回復で雇用市場等にも明るい兆しが見え始めている日本。だが来年は更にネット取引による店舗販売の侵食が進むことは確実だ。場合によっては店舗販売企業の基盤を揺るがすようなことが起きるかもしれない。
型番が決まっているインクのようなコモディティ商品とお店ごとに味が違うケーキを同じ土俵で論じるのは少し乱暴かもしれないが、ケーキのような商品でもネット販売が伸びる余地は大きいと感じた日だった。