金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

お世話になった先へネットでケーキを送ってみた

2013年12月09日 | デジタル・インターネット

小さな学会の運営を行っていると、色々な人に世話になることが多い。特にある会計事務所には無料で郵送物の取次をお願いしてご負担をかけている。そこでお歳暮代わりにオフィスで食べて頂けるケーキを送ることにした。

この時期のケーキというとクリスマスケーキなのだが、私はこれが余り好きではない。というのはクリスマスケーキはかなり前から作り置かれているからだ。そこでクリスマスケーキはやめにして、前週に普通のケーキをお届けすることにした。

本来は自分が食べて美味しいと思うお店のケーキをお届けするものなのだろうが、この時期は雑事が多いので、インターネットで手頃なお店を見つけて発注してしまった。画面から美味しそうなケーキを選ぶと「配達日・配達時間帯指定」で届けてくれるので楽だ。

パソコンに向かってちょっと作業をすると、お世話になった人に喜んで貰えそうなプレゼントが直ぐ送ることができるのだから便利な時代になった。

だがその反面ネット取引が既存店舗の売上を侵食する、という現象が起きている。その代表例は海外旅行で56%はネット経由の申込とのこと(12月8日の日経新聞朝刊)。家電もネット取引が1割を超えた、という。私もパソコン周りの消耗品(たとえばインク)はヨドバシカメラかアマゾンで購入することにしている。量販店のインク売り場で、箱に書かれた小さな文字を見ながら使用機種に合うインクを探すというのは結構面倒な作業だ。これに較べて一度製品番号を記録してしまうとネット経由の注文は実に簡便だ。量販店に出かける手間や時間も省略できる。

このような商品は圧倒的にネット購入に軍配があがると私は考えている。

景気回復で雇用市場等にも明るい兆しが見え始めている日本。だが来年は更にネット取引による店舗販売の侵食が進むことは確実だ。場合によっては店舗販売企業の基盤を揺るがすようなことが起きるかもしれない。

型番が決まっているインクのようなコモディティ商品とお店ごとに味が違うケーキを同じ土俵で論じるのは少し乱暴かもしれないが、ケーキのような商品でもネット販売が伸びる余地は大きいと感じた日だった。

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ビル・グロス対日本人ファンドマネージャー

2013年12月09日 | 金融

ブルンバーグによると、米国金利の見通しについて米国最大級の債券ファンドマネージャーの意見と日本人ファンドマネージャーの見方は分かれている。

資産残高2,441億ドルのピムコ・トータル・リターン・ファンドを運用するビル・グロス氏は「米国の雇用データの改善で、連銀が今月(12月)テーパリングを始める可能性が5割に高まった」といい、金利上昇による価格下落の少ない短期債の購入に焦点を当てている。

米国の第3四半期の経済成長率は3.6%(年率換算)と予想を上回る強い数字だった。

ブルンバーグが集計したエコノミストの予想は「連銀は2015年まで政策金利をゼロ~0.25%にするものの、10年国債の利回りは(現在の2.86%から)3.4%に上昇するだろう」というものだった。

これと正反対のビューを持っているのが、一部の日本のファンドマネージャーだ。

ブルンバーグによるとみずほアセットマネジメント他最低でも5社の運用会社(運用資産合計2,360億ドル)は、インフレ調整後の日米国債金利差が最高レベルに達したところで、10年債に買いを入れている。

みずほアセットマネジメントの伊藤ファンドマネージャーは「米国には大きなデフレ圧力があり、10年債の利回りは2014年中頃までに2.1%まで下落するだろう」と予想している。

確かに米国のインフレ率は低下している。連銀がインフレ率の主要な物差しと考えている個人消費支出デフレーターは、10月の数字で0.7%の上昇にとどまった。これは2009年以降一番低いレベルだ。

日米のファンドマネージャーの間で見方が分かれる米国金利の見通しだが、実際に資金を運用する立場でものを考えると違いはそれほど大きくないかもしれない。

というのは日本のファンドマネージャーは円投で米国債を買うからだ。今年になって金利上昇から米国10年債の価格は7%下落したが、円安ドル高のおかげで円ベースで見た利回りは10%を維持している。仮に日本のファンドマネージャーの見通しが外れて、金利が上昇した場合は、更に円安ドル高が進む可能性が高いので、債券価格の下落は為替益でオフセットされる可能性大、ということができそうだ。

連銀という最大の債券購入者が購入額を減らす場合、もし日本など外国の資金がその穴埋めをすると、需給環境悪化による米国債の下落リスクは緩和される。外国勢の資金流入を底支えするには、緩やかなドル高(少なくとも現水準の維持)が必要だと米当局が考えると判断すると、ドル高持続説には説得力があるだろう。

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