Borrowed timeは「天らか与えられた僅かな時間」という意味だ。ジョン・レノンが作詞したBorrowed Timeの中にLiving on borrowed time without a thougt for tommorrowというフレーズがあった。「明日のことを考えずに僅かな時間を生きる」という意味だ。
Live on borrowed timeはイディオムで「病人や老人が奇跡的に生きている」という意味だ。
WSJのMarket watchの中でMichael Sincere氏(「オプションの理解」など著書あり)が、The market can still go higher, but it's on borrowed time.と書いていた。
株式市場はまだ上昇する可能性がある。しかしそれは瀕死の病人がかろうじて生き延びているようなものだ。という意味だ。
この一文はIf ever the stock market flashed a 'sell' signal,it's nowという記事の中に出てくる。この記事は昨日のMarket watchの中で一番人気が高かった。
Sincere氏の話をまとめると次のようなことだ。
「RSI指数などを見ると株は買われ過ぎている。ダウ17,000ポイントという頂上に立つと降る以外に道はない。株価に上昇余地はあるが、それは金利も同じこと。インフレは始まっている。株価に5-10%の上昇余地はあるかもしれないが、潜在的には25-30%下落する可能性がある」
上昇を続ける米国株については、以前から大幅な下落を警告する声はあった。市場は波のように上下を繰り返すので、一つのことを言い続けているといつかは当たる可能性がある(時々スタンスを変えると双方外れる可能性がある)。いつか株価が下落に転じることは間違いない(その後また上昇すると私は思っているが)
易経にも「亢龍(こうりゅう)悔いあり」という言葉がある。天まで登りつめた龍は降るしかないという意味だ。
ところで我々は多少寿命の長さに差はあるにしろ、総てborrowed timeを生きていることには変わりはない。その短い時間を株価の上下に振り回されて生きるのは勿体ないことかもしれない。
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