私は今月9日(2014年7月9日)に最初の電子本をアマゾンから発売した。そしてまもなく2つ目の電子本をアマゾンから販売する予定である。
電子本の出版に際して1回目は代行業者を使った。これは早く電子本の出版に漕ぎ付けたかったからだ。なぜ早く電子本を出版したいと思ったかということについては後程説明する。
第2回目は自分でSigil(シジル)という無料ソフトを使って、wordで作成した文章をアマゾンが受け付けるフォーマットに転換して、画像入りの表紙までつけて自分で作成した。なぜ代行業者を使わなかったか?というと、電子出版で想定される売上高は代行費用を賄うには余りも少ないと予想されたからである。
第1回目の電子本も第2回目の電子本も写真や図表のないシンプルなものだったので、作成は技術面では簡単だったと思う。
第1回目の電子本も第2回目の電子本も中身contentsはこのブログ(金融そして時々山)に掲載したものを中心にまとめたものである。
第3回目の出版の具体的スケジュールは決めていないが次は「オジサンがはまった電子本出版」(仮題)を出版しようと考えている。ただしこちらは写真が入るのでハードルが少し高そうだ。
なお8月上旬にアマゾンが主催する「電子本出版初心者向けセミナー」に出席することが決まっている(抽選にあった)。
以上のような状況を踏まえて、私は中年のおじさんによる電子本出版体験を同時進行的にブログに掲載していきたいと思っている。もし同年代の方で電子出版をしたいと考えている方などの参考になれば望外の幸せである。そしてこれは「オジサンがはまった電子本出版」の原稿でもある訳だ。
まず最初に私の状況について説明しておこう。
年齢64歳。パソコン歴は長いが、体系的に勉強したことはない。典型的文系人間。ブログ歴は約8年しかしHTML(ウェブに文字を書く言語)についてはまったくの素人。英語についてはコンピュータ関係のマニュアルを必要なところは辞書を引きながら読むことができるレベル(このことはSigilを使うことができるかどうかの判定ポイントになると思う)
電子本の出版実績・予定
出版済:英語の慣用表現集
7月21日頃出版予定:人生という山坂の登り方・降り方
以上のような前提を踏まえながら、まず次の点を考えてみよう。
「なぜ電子本を出版するのか?」「電子本はどれ位売れると考えるべきなのか?」
電子本の自己出版については幾つかの本が「電子本」で出ている。私も「Kindle 自己出版」(蓮見あつき著)と「Kindle 電子出版マニュアル」(朝倉徹也著)の2冊を読んだ。重複するところが多いのでこのあたりの「自己出版マュニュアル」はとりあえず一冊読めば良いだろう(また最低一冊は読むべきである)。
私が読んだ2冊のマニュアルは「どのようにしてアマゾンにアカウントを開くか」「米国の30%を課税をどう回避するか」「ワードで作成した文章をどのようないアマゾンの出版サイトにアップロードするか」ということが主な論点になっている。
しかし私はそれらのことはコンピュータに詳しい専門家にお任せして、もっと基本的な問題について現時点で私に分ることと私が感じることを述べていきたい。
まず第一は
【電子出版になぜアマゾンを使うか】という点である。事実上現在日本では電子書籍の自己出版=アマゾンのKDP(Kindle Direct Publishing)となっているが、それは何故なのだろうか?
答は簡単だ。アマゾンが日本で電子出版市場の9割を押さえているかからである。アマゾンはde facto standardなのである。アマゾンは最大で売上高の70%を出版者に還元するという仕組みを提供している。アマゾンは独占販売権を取得する代わりに7割の印税を払うという仕組みだ。
次のポイントは
【なぜ電子本を出版するのか?】ということだ。
この問題は2つに分けて考えた方が良い。「なぜ本を出したいと思うのか」と「なぜそれを電子本で出版するか」だ。
「本を出したい」と思う理由には、「本を出して印税を稼ぎたい」という金銭的動機と「自分を表現したい」という心理的な動機があると思う。マズローの欲求5段階説に従うと第4段階の「尊厳欲求」と第5段階の「自己実現欲求」に該当する。その他に団体などが会報を電子本で配布したいと考える場合があるかもしれないがまだニーズは少なそうなので省略する。
金銭的動機の高いプロの著述家は別として、我々一般人は皆多少なりとも「自分の書いた文章が活字になる」ことを憧れていると私は考えている。だから「自分史」の出版などが行われるのだ。しかし紙の出版物は制作コストが高い。これに較べて電子本は、多少のIT知識と時間があれば、ほぼゼロコストで出版することができる。だから「自分で本を出版したいけれど、大きな出版費用は払いたくない」という人は電子出版を選択すると考えている。
だが電子本はあくまで電子本。紙の本に較べると文字通り重みがない。きれいな装丁の本を出版し、多くの人に読んでもらいたいと希望する人は多いと思うから紙の自費出版がなくなることはおろか、電子本に大きく浸食されることもないと私は考えている。少なくとも暫くの間はである。
第三のポイントは「素人が作った電子本は売れるのか?」という点である。
電子本の出版代行業者のウェッブ広告などを見ると「電子本を出版してブログやフェイスブックで宣伝すると本が売れて印税が入ります」というキャッチフレーズに出会う。
本当に電子本は売れるのだろうか?電子本を出版しても、それが自動的にアマゾンのサイトで紹介される訳ではない(売上ランクが上位にくれば別だが)。何らかの宣伝をしないと誰も「その本が出版されたこと」に気が付かないのだ。
出版した電子本の宣伝はブログやフェイスブックで行うことになるが、自分の経験では「出版した電子本はあまり売れない」ものなのである(正直なところ発刊日から10日間で1日平均1冊程度)。
無論電子本が売れるかどうかは「内容」(読者が読みたいものかどうか)「タイトル」(キャッチフレーズ)「値段」など多くの要素が絡んでいる。
しかしブログによる宣伝についていうと、私のブログは素人ブログとしては、アクセス数が多い方だと思っているが、それがプラットフォームになって電子本がトントンと売れることはあまりないようだ。その理由については次のエントリーで考えてみたい。
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