昨日(3月9日)の米国株は大きく値を下げた。ダウは332.78ポイント(1.9%)下げて17,662.94ポイントで終了。S&Pは35.27ポイント(1.7%)下げて2,044ポイントで引けた。
原因は連銀の金利引上げ時期が早まるのではないか?という見方が広がったことにあるが、昨日欧州中銀が債券購入により長期金利引き下げの動きに出た影響も大きいようだ。
米欧の中央銀行の逆の動きは、ユーロ安・ドル高を加速し、ユーロはドルに対し1.3%下落して過去12年で最安の1.07ドルまで下落した。
ドル高は米国企業の収益を圧迫する。昨年10月時点でのS&P500の一株当たり利益は今年は12%上昇すると予想されていた(S&P Capital IQによる)が、ドル高の影響で1.5%の上昇予想まで低下している。
市場参加者の関心事は来週17-18日のFOMCミーティングだ。ここで連銀が金利引上げについて「我慢するpatient」という言葉を取り除くかどうかが注目される。イエレン議長はかねてからpatientを取り除いてから少なくとも2回のFOMCを経るまで金利を引き上げないと言っているから、patientが取り除かれると6月または9月に政策金利が引き上げられる可能性が高まる訳だ。
先週発表された雇用統計により、米国の労働市場の改善が顕著であることは再確認されたが、まだ物価上昇への大きな圧力になっていないことも事実。連銀が注目している商務省が発表する個人消費支出指数は、まだ連銀ターゲットの2%以下だ。
だからpatientの削除は直ちに金利引上げを意味しないという見方もあるようだ。
ただし過去の例では、通常政策金利の引き上げ半年前に株式市場のボラティリティは高まるという。もしこれから株価の動きが激しくなってくるとそれは9月の利上げを見込んでいるということなのだろう。
今朝は日本では1月の機械受注が発表される。今日日本株が下げることは間違いないだろうが、下げ幅の程度は機械受注の数値が影響するだろう。