ブルンバーグによると、インターネットの巨人・グーグルが新しいCFO(最高財務責任者)にモルガン・スタンレーのCFO・Ruth Poratを任用することを決めた。
ポラト女史は、4月にモルガン・スタンレーを去り、5月下旬からグーグルのCFOとして仕事を始める予定だ。この転職は幾つかの点で、非常に興味深いものである。
第一に米国ではキャリアの頂点と思われる名門投資銀行のCFOの立場を捨てて、インターネットの大手会社のCFOになるということは、インターネット企業の地位が投資銀行に比肩するほど上昇したことを意味する。それは単にIT業界の社会的名声が上昇したということだけではなく、社会に与える影響力が投資銀行に匹敵するほど大きくなったことを意味する。
第二に、ポラト女史のトラバーユが女性の経営層への進出の刺激剤になることだ。既ににポラト女史は、金融業界では最もポジションが高い女性とみなされているが、昨年彼女は「経営層におけるGender diversity(性別多様性)の欠如」を批判し、女性の進出を義務付けるような立法措置を呼びかけたことがある。
第三にニュースによると彼女は乳がん経験者である。彼女の今後の活躍はがん経験者にとって励みになるだろう。
第四に~これはグーグルの株を保有するものとして一番期待したいことだが~、グーグルの株価を押し上げる努力がなされるのではないか?という点だ。グーグルの業績は堅調(昨年第4四半期の純利益は前年同期比41%上昇、フェイスブックは34%アップルは38%の上昇)だが、株価がフェイスブックやアップルに較べ低迷している。今年に入ってフェイスブックの株価は33%、アップルの株価は64%上昇しているが、グーグルの株価は0.3%下落している。
ポラト女史にはグーグルが保有する膨大な現金を有効な投資に振り向けるとともに、投資家に有用な情報を提供することで株価向上につながる努力をして欲しいものだ、と思う。
そのような期待があったのだろうか、昨日米国株式市場は全般に売られ気味(ダウは104.9ポイント、0.58%ダウン)だったが、グーグルの株価は12.17ドル(2.15%)上昇した。
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