金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

日本の政治家にマティスほどの読書家はいるか?

2017年02月03日 | ライフプランニングファイル

米国のマティス国防長官がまもなく来日する。安倍首相を表敬訪問するというが、1時間の会談時間が予定されているからかなり突っ込んだ話になるだろう。マティス長官が日韓を訪問する理由は何か?

おそらくトランプ大統領が選挙戦で「日韓に求めた自主防衛や核武装路線」を修正する狙いが大きい。

日本のマスコミが「狂犬」と誤訳したことで、戦闘一片の軍人という誤解を一般日本人に与えた可能性があるが、マティス国防長官は大変な読書家で勉強家だ。蔵書は7千冊に及び、愛読書は孫子やクラウゼビッツの戦争論だという。軍人だから孫子を読むのは当たり前と考えてはいけない。

孫子の本質は「いかに戦争をしないか」を述べていることである。

孫子は百戦して百戦するのは最善ではない、戦わずして勝つのが最善だと喝破する。

マティス国防長官と対談する安倍首相や稲田防衛大臣に例えば孫子の言葉を引用しながら、マティスの心をとらえるような話ができるほどの深い教養はあるだろうか?と私は懸念する。

問われているのは目先の国防問題だけではなく、それを支える国防思想の深さなのである。

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ADP(民間部門雇用)は強い雇用市場を示唆

2017年02月03日 | ライフプランニングファイル

米国の経済指標の中で市場が一番注目しているのが、毎月最初の金曜日に発表される雇用統計だ。

その雇用統計の前に発表されるのが、ADP(給与計算会社)が発表する民間部門の雇用増加数だ。労働省が発表する非農業部門雇用者数とADPの発表する民間部門の雇用者数の間には当然相関関係は高いが、各月ベースでみると必ずしも一致したペースで動いているわけではない。

それでも紫綬参加者はADPの数字から何かを読み解こうと努めている。

一昨日発表された1月の民間部門雇用者増は246千人でエコノミストの予想164千人を大きく上回った。WSJによると予想と実際の数値がこれだけ乖離したのは、2012年12月以来のことらしい。

ADPが非農業部門雇用者増の方向を示唆するものとすれば、きょう発表される非農業部門雇用者数は市場予想の174千人を大きく上回る可能性がある。

市場は米連銀の次の政策金利引き上げの時期を探っているが、先月末のFOMC会合から手がかりをえることはできなかった。

仮に1月の雇用統計が非常に強い数字になると、政策金利の引き上げタイミングが早まるという予想が勢いを増す可能性がある。

ちなみに失業率の予想は4.7%。

トランプ大統領になってから、大統領の為替発言で為替市場がvolatileになり、短期的な予想が難しくなった。

もしトランプ大統領が米国の堅調な雇用市場に彼がこれから実施しようとしている減税・規制緩和策が加わると相当ドルは強くなると判断して、予防的にドルが割高だと主張しているとすれば、なかなかしたたかである。

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