米国のマティス国防長官がまもなく来日する。安倍首相を表敬訪問するというが、1時間の会談時間が予定されているからかなり突っ込んだ話になるだろう。マティス長官が日韓を訪問する理由は何か?
おそらくトランプ大統領が選挙戦で「日韓に求めた自主防衛や核武装路線」を修正する狙いが大きい。
日本のマスコミが「狂犬」と誤訳したことで、戦闘一片の軍人という誤解を一般日本人に与えた可能性があるが、マティス国防長官は大変な読書家で勉強家だ。蔵書は7千冊に及び、愛読書は孫子やクラウゼビッツの戦争論だという。軍人だから孫子を読むのは当たり前と考えてはいけない。
孫子の本質は「いかに戦争をしないか」を述べていることである。
孫子は百戦して百戦するのは最善ではない、戦わずして勝つのが最善だと喝破する。
マティス国防長官と対談する安倍首相や稲田防衛大臣に例えば孫子の言葉を引用しながら、マティスの心をとらえるような話ができるほどの深い教養はあるだろうか?と私は懸念する。
問われているのは目先の国防問題だけではなく、それを支える国防思想の深さなのである。