銀行の店舗に行くことはほとんどない。送金等大半の用事はネット取引で済むからだ。だが個人の用事ではなく、事務局を務めている団体の用事ではたまに行くことがある。それは某大学の会館使用料の払込が「払込用紙持参の窓口払い」になっているからだ。銀行の窓口で現金払いをして、収納印を押してもらった紙を某大学事務局に送る必要があるからだ。
この事務プロセスは恐らく20~30年前の事務プロセスを踏襲したもので、IT技術の進歩を全く利用していない某大学事務局のエゴとコスト意識の欠如の表れである。
因みにいうと取り扱っている銀行の支店にも不要なほど不要な人が多い。不要な人というのは、ロビーにいる案内係のおばさんである。ロビーには発券機があり、顧客が希望する取引毎に券を受け取り待つようになっているので、ロビーおばさんの案内は不要と思うのだが・・・そしてその割に窓口で受け付ける人は少ないので待ち時間は長くなっている。
偶々グーグルファイナンスでニュースを見ていると、米国の大手銀行バンクオブアメリカが完全無人店舗を3店舗オープンしたという記事がでていた。
無人店舗にはATMと寮店とのテレビ通話システムがあり、顧客はそれを使って取引を進めることができる仕組みだ。
日米とも銀行は伝統的な預金業務では収益を得ることはできなくなっているので、住宅ローンや自動車ローン等各種のローンの拡販に力をいれている。コスト意識が高い米国では、不採算店舗をどんどん閉鎖するとともに、新しく出店する場合は、IT技術を活用し、より面積の狭いより従業員の少ない店舗を展開している。その究極の姿が無人店舗という訳だ。いや、その先に無店舗というインターネットバンキングの世界があるので、無人店舗というのも中間形かもしれない。(もっとも完全やキャッシュレス・小切手レスの社会にならない限りかならずATMは必要だが)
因みにバンカメは2010年に5,900店舗あった支店を直近では4,600弱まで減らしている。
今後バンカメなど米銀がIT技術を活用して、いかに店舗を効率化していくか?ということは興味深い。そして日本の銀行が思い切って営業店の効率化を進めらないことについても興味深い。そして株式投資の観点からいうと、これから金融株を買うとすると日本の銀行の株を買うか米銀の株を買うかと判断する上で一つのヒントを与えてくれると私は思っている(もちろん株価に影響を与えるのは効率化だけではなく、長短金利差など収益環境が大きい)。