金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

発信する情報は寝かせることが大事~新入社員向け講話の準備から

2017年02月27日 | うんちく・小ネタ
恒例行事化してきた顧問先での新入社員向けの講話。昨年までは30分だったが、今年は1時間の話を依頼された。
30分なら雑談的な話で済むのだが、1時間となると少しまとまった話をする必要がある。

そこでテーマは「情報発信の技術」ということにした。

この顧問先は土木技術系の会社なので新入社員の方は必ずしも「情報発信」ということを深く考えてきていないかもしれない。

だが社会にでると「情報発信」は極めて重要だ。仕事に少し慣れてくると、「取引先との折衝記録」を報告したり、新しい企画について提案書をまとめるといった社内向けの情報発信が必要になってくる。

さらに仕事を任されるようになると取引先やステークホルダーにプレゼンテーションという形で「会社がやりたいこと」を説明して、受け入れてもらう必要がでてくる。

情報発信はきわめて重要な仕事のスキルといって良い。

新入社員の人は実は「入社試験」の場で情報発信の経験を積んでいる。自覚してたかいなかったは別としてだが。

その入社試験の成功体験や失敗体験を振り返りながら、情報発信のポイントを考えてもらえると良いと思う。

情報発信の一番のポイントは「相手を動かせるかどうか?」という点だ。

上手い話やプレゼンテーションが相手を動かすとは限らない。

「この人の話には真実があるな」「このテーマについて良く考えているな」「自分にとってメリットのある話だな」と思ってもらえるかどうかにかかっていると言って良いだろう。

その一つの方法として私は「発信する情報は寝かせて醸成する」ということを提言したいと考えている。

話の粗筋はできるだけ早くまとめて、何度も読み返してみる。可能であれば他人に見せて(聞かせて)批評を乞うのも良いと思う。

良く練られた考えは相手を動かす力があると私は思っている。

「隗より始めよ」ということで、私も自分の講話の粗筋をパワーポイントでまとめてみた。その粗筋を頭の片隅の中に置きながら向こう1ヶ月ほどの間色々な本やメディアに接していると、考え方や話す順序が洗練されてくると思う。

巷間偉い人がツイッターでつぶやき、世間を動かすことを目にするが、動いているのは世間の表面だけなのではないだろうか?

本当に人を動かすには、私は熟慮という情報の熟成期間が必要ではないか?と考えている。
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馬上・床上・厠上・岩盤上

2017年02月27日 | うんちく・小ネタ
「馬上・床上・厠上」は、中国の詩人・応用脩が文章を練る上で良い場所として上げたもので、三上と呼ばれている。
これが発展して、読書をする上でも馬上(今日では電車の中)・床上(寝床の中)・厠上(トイレの中)が一番良いという人もいる。これを「三上の読書」というそうだ。

私も電車の特に長距離列車の中や寝床の中は読書の場所として愛用しているが、トイレの中で本や新聞を読む習慣はない。
その代わり私が最近読書の場所として愛用しているのが、スポーツクラブの岩盤浴の床の上である。

私のスポーツクラブでは、数年前は岩盤浴の利用に1回500円取っていたが、今は無料なので気楽に利用することができる。

岩盤浴の床に大きなタオルを引いて、好きな本を読んでいると眠りに落ちることも多いがそれはそれで楽しいひと時である。

最近では自宅のお風呂で読書を楽しむ人も増えていると聞くが、私はお風呂で本を読むことはない。それは本を読みながら眠りに落ちるという楽しみを味わえないからだと思う(浴槽で眠りに落ちても本を濡らさず、溺れない方法があるのかもしれないが、私は知らない)。

目下のところ私の三上の読書は、車上・床上・岩盤(浴)上である。

岩盤浴といえば、私の山登りの後輩のNさんが最近「近所の温泉浴にはまっている」という話を聞いた。Nさんは吉祥寺に住んでいて、花小金井の「お風呂の王様」までバスを使って時々温泉に入りに来るということだ。マイカーの方が便利なはずだが、Nさんは温泉の後のビールが楽しみだからバスで来るという。

花小金井のお風呂の王様は天然温泉でタール分を含む茶褐色の色をしている。私も年に1,2度入りにいくことがあったが、混んでいると読書の楽しみがないので、今はもっぱらスポーツクラブの岩盤浴を楽しんでいる。

Nさんとは昔からよく山登りに行き帰りに温泉に入ったものである。ただしNさんも私も「烏の行水」で直ぐに温泉から上がっていた。ただしNさんによると最近は「お風呂の王様」で長湯を楽しんでいるらしい。

100kmマラソンを走るほどのアスリートだったNさんも還暦を過ぎ、普通の人に近づいたのか?と微笑ましい気がした。

岩盤浴にしろ温泉浴にしろ体を温めるということは健康の元だ。お互い雪山登山や沢登りなど体を冷やす遊びに熱中してきたが、老境に入り体を温めるのが好きになったということだろう。

歳を取って、体を温めながら好きなこと(私の場合は読書)をできる場があることは幸せなことだとしみじみ思った次第。




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