金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

富士フイルム、ゼロックスを買収~食糧難の時代の恐竜?

2018年02月01日 | 相続

「昨日(1月31日)富士フイルムが米国のゼロックスを買収すると発表した」記事は朝刊の紙面を賑わしている。

日経新聞の記事のポイントを抜き出してみよう。

  • ペーパーレス化が進み需要減に苦しむ1906年創業の名門米ゼロックスを、かって技術支援を受けた富士フイルムHDが主導して再建する構図だ。
  • (プロセスは省略して)富士フイルムがゼロックスに50.1%出資する
  • 富士フイルムとゼロックスの売上を単純合算すると3.3兆円に達するが、その内コピー機や印刷機の販売が3分の2を占める
  • ペーパーレスが進む先進国では需要減に直面する

WSJは次のように書いていた。

  • 富士フイルムの小森CEOは「コピー機市場は成熟した市場で売上高は毎年2%減少している。しかし成長市場はある。それは中国とインドだ」と述べた。
  • だが投資家は懐疑的である。昨日富士フイルムの正式発表前に同社の株価は8.3%下落した。昨日の朝WSJが買収話を報じたからだ。
  • 東海東京調査センターの石野アナリストは「私は成長する方法はあると思うが、同社がそれを見出せるかどうかは定かではないと思う。これは食糧不足の中で恐竜を大きくするようなもだ」と述べた。

石野アナリストのコメントの後半は原文ではIt's like dinosaurs getting bigger when food is scarece.

Dinosaur恐竜には「巨大で扱い難い時代遅れなもの」という意味がある。

中国やインドが経済成長を続けることは間違いないが、それに比例して紙の使用量が増えるとは考えない方が良いだろう。

日本ではファックスはビジネスの第一線でも使われているが、アメリカでは「ファックス機が見たければスミソニアン博物館に行け」という言葉があるそうだ。

コピー機や印刷機がファックス機のように博物館行になるとは思わないが、ビジネスの世界では「如何に紙への出力を減らすか?」ということに頭を使っている。ビジネスプロセスの改善は「少紙化」を推し進める。

直観的にはクエスチョンマークがつく買収話ではないか?と思う。

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米国株、連敗を食い止めて1月は大幅上昇で終了

2018年02月01日 | 投資

昨日(1月31日)のダウは260ポイント高と高く寄り付き、午後FOMCの声明で一度マイナスになったが、最後は72ポイント高で終わった。

振幅の大きな1日だった。昨日ブログで2日間の大幅下落について、個人的には「速度調整ではないか」と考えていると述べた。1日の動きだけで市場の方向感を見るのは危険だが、下げ相場に一旦歯止めがかかったことは事実だ。

株価が高くスタートしたのは、好調な企業収益に対する期待が金利上昇懸念を上回ったからだ。だがFOMCミーティングで連銀が今年はインフレが加速し、中期的には2%程度で安定するという見通しを示したことで、政策金利引き上げ速度が加速するという懸念が一時的に広がったことによる。

最終的に昨日のダウを支えたのは、業績好調なボーイング株だった。WSJによるとボーイング株はこの日ダウを110ポイント押し上げたそうだ。

だがこれでは一銘柄頼みの片肺飛行である。恐らく相場は好調な企業収益とその背景の世界的景気拡大に対する期待と政策金利引き上げに対する懸念の綱引きでしばらく振幅幅大きくなるだろう。相場が下がったところですかさず買いが入ればやがて安定するのだが。

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