(仮題)「お金の心理学」The Psychology of Moneyは6割ほど読み進み、第15章Nothing's free(ただのものはない)まできた。
著者は「ただものはない」という基本原則は投資にも当てはまると述べる。
そして投資が求める対価は、金銭的なものではなく、ボラティリティ、恐怖、疑い、不確実性と後悔であると述べる。さらにこれら総ては実際の世界で取り組むまで簡単に見過ごしてしまうと警鐘を鳴らす。
偶々このあたりを読んでいる時に米国株式相場は大荒れの模様を呈していた。 サマーラリーで急騰していたハイテク銘柄が売られた上、欧米ではコロナウイルス感染再拡大の懸念が広がり、弱気の虫が頭をもたげてきたのだ。
"Hold stocks for the long run," you'll hear. It's good advice. But do you know how hard it is to maintain a long-term outlook when stocks are collasping?
「株式の長期保有」は良いアドバイスだ。しかしあなたは株式相場が大崩れしている時、長期的な展望を維持することが如何に困難なことを知っていますか?と著者は警鐘を鳴らす。
そしてその答が「株式投資の高いリターンは(短期的な)価格変動を対価として得られるものだから、投資家はその対価を払わなければならない」というものだ。そして「価格変動に耐える」という入場料を払うことで高いリターンを得られる可能性がある株式投資を楽しむことができると喝破する。
著者は株式投資を入場料100ドルのディズニーランドに譬え、入場料が10ドル程度の街の催し物や無料の自宅滞在より得られる効用が大きいと述べる。
ただし彼は「株式相場は入場料を払うに値するけれども保証はない。ディズニーランドでも時々雨が降る」と結んでいる。