WSJなどで人工知能関連のニュースは見ない日がないといってよいだろう。ニュースの受け止め方は人によって様々だろうが、大きく分けると今働いている人と我々のようにリタイアした人で相当違うと思う。
なぜなら今働いている人にとって人工知能は仕事を奪う可能性があるだけでなく、仕事に指示を出したり、職務を評価する側に加わる可能性があるからだ。
マッキンゼーは2030年までに全職種の25%が自動化される可能性があると述べている。
今アメリカで人工知能と人間の戦いが始まっているのが、コールセンターだ。
WSJにAI in the workplace is already here. The first battleground? Call centers.
という記事が出ていた。
記事が取り上げているのはHome repair insurance(水回りなどで障害が起きた時修理を行うサービス)のコールセンターだ。
ベテラン担当者(エージェント)をサポートするために配属されたのが人工知能(バーチャルエージェント)だ。人工知能はかかってくる電話の前捌きをするなど業務の効率化に貢献しているが、記事よると担当者が顧客と話をする時、特定の言葉を要求し、そうでない場合はペナルティを課すなど高圧的なところがあるという。
コールセンターは平均処理時間の短縮等が求められ、勤務員の疲弊による離職が高い職場だが、人間の仕事をサポートする人工知能が、人間の仕事に口出し、そのパフォーマンスを測定して、評定者にデータを提供するようになるとまさに人間と人工知能(本当はそれを設計し、導入する会社側)との戦いが始まるというのは大袈裟な話ではないだろう。