CNBCにThe No.1 personality trait liked to a long life.という記事が出ていました。「長生きと結びつく一番の特性」という意味です。
記事によると多くの百歳以上の人は、少なくとも部分的には、彼らの長寿の原因は「前向きな姿勢」にあると考えています。
しかしノートルダム大学の元心理学教授のデイビッド・ワトソン氏は、
「前向きな姿勢」は長寿の要因として過大評価されていると述べています。
そして人間の性格特性を次の5つ~「開放性」「誠実さ」「外向性」「協調性」「神経症」~に分類した場合、「誠実さ」が長生きと関連性が高いと述べます。
さて「誠実さ」ですが、英語ではConscientiousnessです。辞書を引くと、この言葉には「誠実さ」と「慎重さ」という二つの意味があります。性格に5つの特性について説明した日本語のサイトでは、「誠実さ」とだけ書いているものがありましたが、私はあえて「慎重」を加えました。
それは記事の中にConscientious people, for example, tend to drink alcohol in moderation and eat more balanced meals.という文章があったからです。
これは「慎重な人々は例えば、お酒をほどほどに飲み、バランスの良い食事をする傾向がある」と訳す方が座りが良いでしょう。英語と日本語の単語は完全に1対1でマッチする訳ではありませんので、「誠実で慎重な人」は長生きする可能性が高いと理解した方が良いでしょう。
なおワトソン元教授は、「開放性」や「協調性」も部分的には長生きに貢献している可能性があるとしています。
特に「開放性」はストレスからのリカバリーに力を発揮するようです。
さてこの記事から思い出したのは、論語の「七十にして心の欲する所に従えども矩をこえず」という一文です。孔子は修行を積んできたので、70の歳には、心のままに行動しても、礼儀や規則に外れないようになったと言っているのです。おそらく孔子は深酒するようなことはなかったのでしょうね。
孔子の教えの一つの柱は「誠実な人間になる」ことです。誠実な人間になる修行の積み重ねが規律正しい生き方につながり、それが長生きにつながったといえるでしょう。孔子は74歳でなくなったそうです。当時としては長寿でした。