金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

マイナンバーカードで切手代84円が節約。扶養親族等申告書の提出

2023年09月20日 | うんちく・小ネタ
 公的年金受給者のお手元には、そろそろ「公的年金等の受給者の扶養親族等申告書」というものがお手元に届くころだと思います。
 私のところに届きましたので、スマートフォンからマイナポータルに入り、「年金の手続きをする」から「変更なし」で送りました。
 日本年金機構が書いているように「切手代84円」の節約にはなりました。
 しかし年金受給者の方が誰でも簡単に操作できるか?というと必ずしもそうではないようです。
 一つは「年金の手続きをする」から「前年の申告内容の確認・変更内容の入力」にたどり着く手順です。リーフレットに手順は書いてありますが、それほど簡単ではありません。「前年度から変更なし」の人が多いと思いますので、「変更なし」の人はもっと手前で「変更なし」ボタンを押せるようにして欲しいですね。
 二つ目は「本人障害」や「配偶者障害」は、マイナンバーを使うことで年金機構側で自動入力することが可能ではないか?という疑問です。私は経験がないのですが、身体障害者手帳の交付を受ける時、マイナンバーカードを使うのであれば、年金機構側でデータを取り込めるはずですね。
三つ目は「署名用電子証明パスワード」を忘れている人が多いのではないか?という懸念です。仕組みを作った側の言い分としては「マイナンバーカード」と「署名用電子証明書」は違うから別のパスワードが要る、ということなのでしょうがユーザ側としては不便ですね。
 さてどれ位の人がオンラインで「扶養親族等申告書」を提出するかはしりませんが、切手代を節約するんいは意外に手間がかかると感じた次第です。



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通貨安に悩む日本と中国には米連銀の助けが必要だがまだ手に入らないだろう

2023年09月20日 | 投資
 円安が続いていますね。円安というのは交換相手の通貨つまりドルやユーロが高いということです。個人的に円安のメリットを受けるのは、外国株の配当などドル建ての収入を円に転換するときですが、円安のデメリットを強く感じるのは、海外旅行に行く時です。この秋にネパール訪問を計画して、航空券を手配しましたが、以前に比べて随分高くなっていると感じました。
 逆に言うと円安はインバウンド観光客にはプラスなので、観光地で商売をしている人にはメリットがあります。しかし年金生活者が増えている日本では、円安は多くの消費財の価格を押し上げるので、消費者の財布を圧迫するとともに、じわりじわりと企業収益を圧迫するでしょう。
 したがって国全体としては、特に行き過ぎた円安に歯止めをかけたいのでしょうが、中々簡単には行きません。
 WSJにThe Yuan and Yen need the Fed's help. They might not get it.
 「人民元と円は米連銀の助けを必要としてる。(しかし)彼らはそれを得られないだろう」という記事です。
 連銀の助けとは、金融緩和です。円安・人民元安の要因はいくつかありますが、大きな要因はアメリカと日本・中国の金融政策の違いです。金融政策の違いは、債券利回り等金利の違いに顕著に出ています。日本の10年物国債の利回りは米国国債より3.6%低く、中国の国債はアメリカの国債より1.7%低いのです。このため高金利を求めて動き回るお金は、米国に流れ込むのです。
 記事が言う連銀の助けとは「政策金利の引き下げ」ですが、アメリカでは経済が強く、中々インフレが連銀が目標とする2%まで落ちてきません。今週FOMCがあり、おそらく今月は政策金利の引き上げは見送られますが、その先連銀はどう出るかは予断を許しません。はっきりしていることは、ひと時市場参加者が予想したような来年早々の政策金利の引き下げはないだろう、ということです。
 ところで金融緩和政策と続ける日本と中国ですが、経済の状況はかなり異なっています。デフレ傾向で不動産不況や若年層の高失業率に悩む中国では、金融緩和策や財政刺激が必要ですが、物価上昇率が日銀ターゲットの2%を既に1年以上超えている日本ではむしろインフレ抑制策が必要なのです。
 原油等輸入価格の上昇や人手不足、サプライチェーンの目詰まり等がインフレの大きな原因になっている日本で政策金利の引き上げが直ちに必要なのかどうかは疑問です。
 今に日本で必要なことは、雇用の流動化を一層推進しながら、成長産業への人材シフトやサービス業のオートメーション化を図ることです。
 そのためには、少し市中銀行の与信供与基準を厳しくするような金融政策が必要でしょうね。そのためには金融引締めムードを出す必要があります。
 連銀の助けは当面期待できないので、日銀と政府が立ち向かわないと円安は続く可能性が高いでしょうね。
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