内定者への講話として考えている2つ目の話は「基本行動特性」です。内定者の方はまずその会社の慣習やルールに慣れることを目指すでしょうが、う少し目線を上げて考えてみましょう。
まず仕事は会社の中だけで行うものではない、ということです。必ず取引先や協力会社、監督官庁などが絡みます。またこれからは一生一つの会社で過ごすとは決まっていません。転職もあれば企業の合併もあります。また一人が一つの会社で仕事をするとは限らない。同時に2つ以上の組織で仕事を行うことも珍しくなくなるかもしれません。
また会社以外の人との付き合いもますます重要になってくるでしょう。そのような多様な環境の中で「信頼・信用」されてこそ、充実した人生を送ることができます。
ではどのようにすれば、「信頼・信用」を築いていくことができるのでしょうか?
まず社会の基盤になっているルール・マナーを守ることです。そして次に人から頼りにされる人間になることを目指すことです。
そのためには「人から頼りにされる行動特性」を確立することです。
私が今まで心掛けている幾つかの行動ルールを説明したいと思います。私の行動ルールが万人に受け入れらるかどうかは知りませんが、自分の人生ですから自分のルールで自律するしかありません。
【頼まれごとに勿体をつけない】
人からものを頼まれた時勿体をつける人がいます。「忙しいのだけれどあなたの頼みだから」という具合にです。でも私は勿体をつけることは人のネットワークを形成・維持していく上でマイナスだと考えています。
ものを頼む人は頼む段階で潜在的に心の負担を感じているはずです。そこで勿体をつけられると「次はできることなら彼(彼女)に頼みたくない」と感じるはずです。それはあなたにマイナスになります。引き受けると決めたことは、勿体をつけずに気安く引き受けることが信頼・信用を築く第一歩です。
【断る時はできるだけ早く断る】
一方無理な話や自分の方針に合わない話はできるだけ素早く断るように私はしています。断る場合も「一日考えてから」などという勿体はつけないようにしています。直ぐに答えを出す、ということを行動ルールにすると、日頃から起きうることに対し判断材料をそろえ、あらかじめ答を用意しておくという癖が身につきます。それが迅速な意思決定に繋がります。要は「寝耳に水」の話をできるだけ少なくするということです。
また断る時はできる限り「具体的な理由」を述べることにしています。特にビジネスではそれが重要でしょう。
その場で断られた人は「愛想のない奴だな」と思うでしょうが、選択肢が減った分だけ他の代替案を早めに探すことができますので、結局プラスになると私は考えています。
【メールに素早く返事をする】
電子メールが普及して色々な連絡を電子メールで行うようになりました。仕事の段取り・アポイントメント更には仲間内との旅行や飲み会の日取り決めもほとんどメールで行います。
私は非常に短期な性分なので、スケジュールを決めるメールに返事が中々来ないとイライラします。
私は企業経営者を含めて色々な階層の方とお付き合いがありますが、「仕事ができる人はメールの返事が早い」という関係があることに気がつきました。もっとも逆つまり「メールの返事が早い人が仕事ができる」かどうかは分りません。メールの返事は早いけれど仕事はできない、という人はいると思います。しかしこの仮説が正しいとすれば、その対偶も正しいはずです。つまり「メールの返事が遅い人は仕事のできる人ではない」といえると思います。
スケジュールを決めるメールに返事が遅い理由としては次のようなことが考えられます。
第一は「メールを頻繁にチェックしていない」「出張等でオフィスや自宅を不在にする時転送機能等でメールをチェックする仕組みを実装していない」ということです。
次に「自分のスケジュールを自分で決められない」ということです。会社員であれば遊ぶ約束を入れても上司から急に仕事を命じられるからできるだけ約束は先延ばししたいと考えるということです。またご家族の健康状態等から予約が入れ難いということも考えらえます。後者につていは当然だと思いますが、前者については私は「情けない」と考えています。
「仕事は楽しく遊びは真剣に」をモットーに生きるのであれば、遊びのスケジュールが先行しても良いでしょう。
最後に「スケジュールを企画する人の気持ちが分っていない」ということです。つまり自分でスケジュールを企画した経験が乏しいから、企画者がどれ程スケジュール管理に苦労しているかが分らないのです。
以上のように考えてみると、メールの返事ができない人の多くはITリテラシーが低く、自分のライフスタイルが確立せず、モノゴトを企画した経験が乏しい人だと言えると思います。メールの遅い人は仕事のできる人ではない、という仮説は正しいと私は考えています。
【時間を厳守する・ドタキャンはしない】
ビジネスパーソンが時間を厳守することは基本中の基本です。しかし遊びになると時々この基本を守れない人がでます。またこのような人はドタキャンすることも多いようです。時間にルーズになったり、ドタキャンが続くと誘いたくなくなるのが人情です。だからこのような人は次第に良い友人を失っていくと私は思います。
以上私が心掛けている行動ルールの一番基本的なことを述べてみました。参考になるところがあれば参考にして、更にもっと良い自分の行動ルールを作りそれを実践してください。実践が行動特性になり、あなたへの信頼・信用につながると思います。
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