昨日「聞き上手の法則を知ろう」というブログを書きました。
その時点ではまた澤村直樹さんの「<聞き上手>の法則 人間関係を良くする15のコツ」(NHK出版生活人新書700円)を読んでいなかったのですが、
今日ざっと本を読みましたので、ちょっと感想を述べましょう。
15のコツの中で澤村さんは7番目の「相手の意見をありのままに受容する」ことがもっとも大切なことの一つだと述べています。
「ありのまま」というと「アナと雪の女王」Let it go~ありのままのを思い出す人も多いと思います。
そこでは「ありのままの自分になるの」♭と歌われますが、聞き上手になるにはまず「相手の価値観や物事の捉え方が、どんなに自分の中にあるものと違っていても、それを歪めずありのままに理解しようとすることが重要だと澤村さんは述べています。
でもこれは「言うは易く行うは難し」ではないか?と私は思います。特に私を含めて長くサラリーマンを勤め管理職を経験した人間にはかなり難しいことではないか?と思います。
部下と面接する場合、何時間でも話すほど時間に余裕があれば、相手の言うことをじっくり聞いて「ありのままに受容する」ことも不可能ではないかもしれませんが、現実にはそれほど時間はありません(時間がないと考えること自体が問題なのかもしれませんが)。
そこでついつい相手の話を途中で遮り「あなたの言うこともわかるけれど、世の中の仕組みや会社の仕組みはそうではない」と自分の考え方を押し付けてしまいます。
ビジネス経験を積み、内外で立場の異なる色々な人と交渉を重ね、プレゼンテーションの経験を積んでくると「話す力」というのは自ずと強化されてきます。
しかし「話す力」が身に付き、自分なりのフレームワークが固まってくると相手を論破することが可能なので、相手の話を十分聞く前に自分の意見を押し付けていたことがあると今になって反省しています。
私の場合の救いは仕事・ボランティア・遊びで海外に出かける機会が多かったことで多少なりとも「違った価値観を持つ人をそのまま受け入れる」素地はできていたと思います。ただ問題は違った文化・習慣・法律制度の中で育ち、暮らしている人の多様な価値観は受容できるが、同じ文化・習慣で育った人に対する寛容性は低かったのではないか?と思っています。
私の職場のOBの中には地裁や家裁の調停委員を務めている人が何人かいますが、私はその道は歩みませんでした。その理由は自分で「傾聴力が弱い」「ありのままに相手の話を受け入れるほど気長でない」という自分の欠点を知っていたからです。
とはいうものの、「話上手だけれど聞き上手ではない」と開き直って生きていくには人生はまだ長過ぎるかもしれません。
1月のオープンセミナーでは澤村さんのお話を傾聴してまずありのままに受容してみたいと考えています。