金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

車の買い替え~あえて経済合理性を無視した基準で

2018年07月26日 | うんちく・小ネタ

少し前にマイカーの買い替えを決めた。今乗っているワーゲンゴルフの車検が来年1月に到来するからだ。

この時点で2つの選択肢があった。一つは7年乗っている車を乗り続けるという選択であり、もう一つはこの辺りで買い替えるという選択である。

今の車の走行距離は3万キロ弱で故障等の問題はないから買い替えなければならない必然性はない。

しかし買い替えたいと思う理由は3つあった。一つは75歳位までマイカーに乗り続けるのであれば、この辺りが買替のタイミングになるということだ。

次に歳とともに運転能力が低下していく(自覚はないが)ので、安全運転支援システムがついた車に乗っておきたいと考えたことだ。

最後にゴルフは名車だが、ウインカー・ワイパーの場所が国産車と左右反対なので、日頃仕事で軽自動車に乗っているワイフが嫌がってあまりゴルフに乗りたがらないことである。

ということでマイカーの買替を考え始めた訳だが、既にこの時点で経済合理性基準を逸脱している。

仮に7年間車を所有するとして、年間コストを考えると50~60万円位になるだろう。このお金をレンタカー代やタクシー代に回しても十分お釣りがくるはずである。

移動手段として車を持つということが既に経済合理性に反しているのだ。

ではなぜ車を持ちたいと思うか?それは「運転を楽しみたい」「乗りたいと思うときにすぐ車に乗ることができる」「タクシーを簡単に拾うことができない山奥に行くことがある」というのが大きな理由だ。

次に買い替える車の選択条件を考えた。

絶対的な条件は「コンパクトな国産車で安全支援システムがついている」ということだ。大きな車は歳をとってくると取り回しに疲れるからコンパクトカーを選ぶことにした。

国産車はワイフの好み。安全運転支援システムについては走行時の安全性を高めるという目的の他に、今話題の「自動運転」のさわりに触れたいという思いもある。

私たちが元気なうちに完全な自動運転車時代が到来するとは思わないが、部分的な自動運転車は普及するだろう。せっかく新しい車に乗るなら、先進技術に触れてみたいという思いがあった。

「できたら満たしたい条件」は、四輪駆動とハイブリッドだった。スキーにマイカーを使うことが多いので、四輪駆動は心強い味方だ。もっとも現在乗っているFF車でもほとんど問題はないが、ごくまれにペンションの入り口の雪道が登れなかったという不都合があった。この1年に一度あるかないかの問題のために20万円(FF車と四輪駆動車の価格差)以上のお金を払うべきかどうかということを考えた。経済合理性で考えるとFF車という選択になるのだろうが、「雪道でも走破できる」という夢をかなえるために四輪駆動車を選ぶことにした。

もっともコンパクトカーの四輪駆動は本格的SUVの四輪駆動に較べるとチャチなものなので、気休め的なものだという話もよく聞くが。

さてハイブリッド。これも経済合理性からみると私の場合は走行距離が短そうなのでまったく割に合わない買い物である。あえてハイブリッドを選ぶ理由があるとすれば「エコに優しい」気持ちになりたい、ガソリンオンリーの車より加速時にモーターの力も加わるので出足が良いという位のことだろう。また新しいものを使ってみたいという好奇心もある。

以上の条件を設定すると買い換える車は簡単にホンダのフィットに決まった。

コンパクトカーとしては、トヨタのアクアや日産のノートなどが競合車になるが、ハイブリッドで四輪駆動という条件を満たすのはフィットだけなので、フィットを選んだ次第だ。

もちろんこの選択が経済合理性に反していることは百も承知である。予定年間走行距離が短いので値段が高いハイブリッドでは元が取れないことは分かっているが、乗りたい車に乗るという選択があっても良いだろうと思っている。

 

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AI技術で120万人の銀行職員の仕事に影響が及ぶ~米国の話

2018年07月24日 | 金融

WSJにBank of America's workers prepare for the Botsという記事がでていた。BotsというのはChatbot「おしゃべりロボット」バンクオブアメリカの文脈でいうと同行が今年5月から顧客向けに導入した人工知能搭載の仮想アシスタント・エリカEricaを指す。

従って表題は「バンクオブアメリカの従業員は仮想アシスタント・エリカに腹をくくる」という意味である。

バンクオブアメリカは、従業員がエリカにより仕事を奪われるのではないか?と悩むことを望んでいない。遅かれ早かれある種の仕事はエリカに奪われるので、そのことを悩むよりも具体的な対処策を提供しようというのがバンクオブアメリカの幹部の考え方なのだ。

エリカは音声やテキストメッセージに対応することで、顧客の求めるサービス~例えば紛失したキャッシュカードを無効にするなど~をこなす。つまり現在銀行員が行っている仕事の中のある部分はエリカに奪われることは間違いない。

これに対して同行はオンライン学習のプログラムを従業員に提供して、従業員が新しい仕事~つまりロボットではできない仕事~に転進することをサポートすると述べている。

最も過去の同行の従業員の減り方(2011年末の282千人から2017年末の209千人に7万3千人減少。これは日本のメガバンク2行分の従業員数合計に匹敵する数字)を見ると、これが経営幹部の従業員に対するリップサービスなのか、本心なのかは私には即断できないが。

2018年にAutonomous Researchが発表したレポートによると、2030年までに銀行業界の従業員内120万人のポジションが人工知能により何らかの影響を受ける可能性がある。

全米銀行協会の統計によると2018年第1四半期時点での業界全体のフルタイム従業員数は207.6万人である。上記の120万人がフルタイムのポジションを指すのかパートタイム込みなのかはわからないが、仮にフルタイムのポジションとすれば、銀行業界全体では6割近いポジションが人工知能の影響を受けることになる。

Autonomous Researchの調査によると一番影響を受けるのはテラー(485千人。120万人の4割)、次がローンオフィサー(250千人2割)、3番目がカスタマーサービス(219千人2割弱)だ。

4番目に影響を受けるのは、ローンの受付者や事務担当者174千人である。なおローンオフィサーとローンの受付・事務担当者を合計すると424千人で影響を受ける人全体の35%に相当する。

ビッグデータによる統計的与信審査が適している住宅ローンはやがて人工知能により諾否が下されることが多くなるのだろう。

今銀行で住宅ローンを担当している人は「手に職をつける」ために何か勉強を始めた方が良い。もっとも邦銀がバンクオブアメリカのようなオンライン学習プログラムを提供しているかどうかは筆者の知見の及ぶところではない。

 

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儲からないお客様は神様じゃない

2018年07月23日 | うんちく・小ネタ

日経新聞に「悪質クレーム、働き手をどう守る」という記事がでていた。

一般常識を超えた悪質クレームにサービス業の従業員が疲弊している。このままではサービス業の担い手不足につながるので、国や業界が対策を模索し始めているという内容だ。

悪質クレームに対してはこのような対策が必要だろうが、その手前に「儲からないお客様は神様じゃない」「顧客と物品やサービスの売り手の関係は対等である」という常識を再確認する必要性をオピニオンリーダー達が声高に呼びかける必要があるだろう。

常識を超えたクレームを行うことは、自らの教養と知性の低さを露呈する恥ずかしい行為であるという価値観が社会に共有されると悪質クレームは減るのではないか?

逆にそのような価値観が共有されない限り悪質クレームは減らないかもしれない。

「お客様は神様です」といったのは三波春夫だが、三波春夫オフィシャルサイトによると彼がさしたお客様とは聴衆・オーディエンスのことで「客席にいる聴衆とステージに立つ演者」という関係の中で生まれた言葉らしい。三波春夫のお客様は商店や飲食店のお客ではないということだ。

一般に日本では顧客とサービスを提供する側の関係が常に歪んでいたと私は考えている。

最近でこそかなり改善されてきたが、医者と患者の場合は、長い間医者が圧倒的に強い立場にいて相当威張っていた。

あたかも患者が悪いから病気になったと言わんばかりに。

弁護士など士業にもその傾向があった。自分たちは法を知っているが顧客は無知の塊と言わんばかりに。

もし「お客様は神様です」という言葉が正しいとすれば、患者や弁護士の顧客は医者や弁護士から見ると神様のはずである。

ところが医者や弁護士は患者や顧客から「先生」と呼ばれることで、クレームからの強力な保護膜を保持していた。

つまりここではサービス提供者が顧客に対して圧倒的に強い立場に立っていた。

一方一般の小売業やサービス業相手の場合は顧客が業者に対して圧倒的に強い立場に立っている。

何のことはない。顧客は強いものには腰砕けになり弱いものには居丈高になっているだけのことである。

相手が医者であれ弁護士であれはたまたサービス業者であれ、お金を払うのは顧客であり、サービスを提供するのは業者なのである。

本来払うお金とサービスは等価であり、どちらが偉いとか偉くないという関係はない。

顧客は払うお金に相当するサービスを求める権利を持っているし、業者をお金に見合うサービスを提供する義務を持っている。

しかし顧客は払うお金を超えるサービスを求める権利はないし、業者は受け取るお金を超えるサービスを提供する義務はない。

権利のないサービスを求めることは不法であり、相手の立場の強弱で自分の態度を変えることは恥であると考えるならば、まともな人間が度を越した悪質クレームを行う訳がないのである。

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世界のカジノ市場18兆円、日本のパチンコ業界19兆円

2018年07月22日 | うんちく・小ネタ

先週カジノを含む統合リゾート実施法案が可決された。実際にカジノが建設されるのは2020年代中頃という見方多い。

若い頃には海外旅行時や海外在住時に何度かカジノに足を運んだことがあったし、仕事ではカジノへの投融資は公益性から考えて如何なものか?などという議論をしたこともあった。しかし今はカジノへの関心は殆どない。東京近郊にカジノがオープンしても足を運ぶことはないだろう。

ということで有権者に甚だ評判の悪い統合リゾート法案(時事プレスによると反対62%賛成22%)について特段の意見がある訳ではない。

だが幾つかの点で不思議に思うことがある。

まず「ギャンブル依存症の対策として日本人客のカジノ入場は週3回、月10回までに制限し、1日あたり6千円の入場料を取る」ということだ。これではあまり日本人がカジノで落とすお金は期待できず、日本のカジノは全く外国人旅行者頼みということになる。

世界的に見ると地元民の入場を制限するカジノもあるようだが、私が行ったこののあるアメリカ東海岸のアトランティックっシティのカジノには全くそのような制限はなかった。アメリカのカジノというとラスベガスが有名(私は行ったことがない)だが、ラスベガスには無論そのような制限はなく、収入のかなりの部分はラスベガス近郊の住民やロスアンジェルス近郊の住民によって支えられていると思われる。

レストランの上層階などで行う小型のカジノの場合は「外国人旅行者オンリー」という営業でも成り立ちそうだが、大規模カジノの場合は地元民の参加なくしては回っていかないのではないか?と私は感じている。

ところが日本の統合型リゾートについて、開発運営の主体と目されるアメリカのカジノ会社は1プロジェクトに100億ドル(1.1兆円)の投資も辞さないと発言している。私は彼ら(カジノ会社)は一旦日本でカジノを開業すれば、あとはなし崩し的に日本人の参入障壁を下げることは可能だ位に考えているのではないかと邪推している。

次にカジノ産業の規模と日本のパチンコ業界の規模だ。公表されいる統計(レジャー白書など)によると、日本のパチンコ業界の規模は19兆円強であり、世界のカジノ業界の規模は18兆円程度と言われている。

パチンコは法的にはギャンブルに分類されないのでギャンブルであるカジノと比較するのはおかしいという見方もあるだろうが、実態面では景品を現金に替えている人が多いのでかなりの部分ギャンブルと見ておくのが正しいだろう。

仮にこの見方が正しいとすれば、日本のパチンコ業界は全世界のカジノ業界に匹敵しているということになる。

ではどうして日本のパチンコ業界はこのように大きいのか(最盛期の半分位になったそうだが)?

それはパチンコ屋が駅前に林立していて、行こうと思うとすぐ行けるからである。

一方私が2,3度訪れたことがあるアメリカ東海岸のカジノリゾート・アトランティックシティは、ニューヨーク郊外から車で2時間半~3時間位かかったと記憶しいる。とても会社の帰りに寄れる距離ではない。アメリカではギャンブルは隔離されたところでごくたまに行うものなのである。

それに較べるとターミナル駅周辺にパチンコ店が林立する日本はギャンブル好きには天国だろう。

手軽にパチンコや公営ギャンブルにアクセスできる環境が整っている日本だからギャンブル依存症が発生しやすいのではないか?などと考えている。

そして統合リゾート法案の前に、考えなければならない問題があったのではないか?とも考えている。

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エアコンのスマホ接続、汗かきました。

2018年07月21日 | デジタル・インターネット

昨日エアコンを買い換えました。使っているエアコンが、13年たったので、壊れる前に手間した次第です。近所のパナピットの店に注文してから、1週間程かかりましたから、猛暑でエアコンが品薄なのでしょう。
新しいエアコンは、スマートフォンで遠隔操作できるというのが、ひとつの売りです。
そこで今朝接続に挑戦。
ところがこれが意外に手間がかかるのです。まずユーザー登録。生年月日、秘密の質問など様々な入力を求められました。
ユーザー登録が済むと、いよいよwifi接続です。ルーターとエアコンの位置関係が悪くまた一苦労。AOSSを何回も押している間にパソコンやスマートフォンのwifi接続が切れてしまうという問題がでました。
最終的にはスマートフォンからエアコンの操作ができるようになりましたが、汗をかきました。
インターネットに繋がる家電、の時代ですから、もう少し接続が簡単になれば良いのですが。

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