コロナウイルスは世界中であらゆる国とあらゆる人にダメージを与えています。経済や科学技術の面で世界をリードする国々も対応に苦しんでいます。しかし懐(ふところ)の深い先進国は、コロナで疲弊した人や業界を支援する手段を持っていますが、多くの発展途上国は懐が浅く、コロナは弱者を直撃しています。
トレッキング等外国人の観光に依存しているネパールの観光業界もコロナウイルスの直撃を受け喘いでいる典型的な業界です。
私たちはネパールを支援するNPO法人やネパールトレッキング経験者を中心にネパールの親密旅行会社を支援する寄付金募金活動を開始しました。
私は発起人の一人となり、また事務局として募金の依頼や受取人との連絡を担当しています。そこで気が付いたことは「このような海外援助の募金活動はICT技術のフル利用が必要」ということです。
ICTというのはInformation & Communication technology (情報通信技術)の略です。Communicationは「通信」と訳されていますが、本当に重要なのは「意思の疎通」です。単にメッセージを送れば良いというものではありません。読み手の慈善の心を動かすような文章力。一方複雑になりがちな事務処理を最新のアプリを使って簡素にかつ統合的にオーガナイズする・・・
中々やりがいのある仕事です。ITC技術の活用の一部を紹介してみましょう。
①ZOOM会議 ネパールの旅行会社の社長を交えてZOOM会議を実施。ネパールのコロナウイルス感染状況と政府のロックダウン政策や観光再開に関する見通しなどを確認する。
②支援趣意書の作成とSNSで情報発信 読み手の心に届く支援趣意書を作成し、山仲間で作っているフェイスブックに掲載する。またフェイスブックに参加していない人向けにはメールで依頼開始。
ここで気が付いたのですが、フェイスブックの力は凄いです。多くの仲間からすぐ「協力する」という返事を頂きました。フェイスブックを使っている人は共感性が強いのかもしれませんね。
③ネパールあて送金方法の検討 フェイスブックの仲間から海外送金にはTrasferWiseが良いというアドバイスを貰い、同社を使う方向で準備に入っています。従来の銀行に頼らないフィンテックの活用になるでしょうね。
④Formsを使った募金情報の一元管理 募金をして頂いた方にはネパールの旅行会社の社長からお礼状を出して頂く予定なので、ローマ字氏名・メールアカウント・募金額(口数)などのデータベースを作成する必要があります。
これらの情報をメールなどで頂いて転記していると手間がかかる上転記ミスのリスクがあります。そこでマイクロソフトのForms(Office365に入っている)というアンケート調査アプリを使うことにしました。
これは簡単にいうと飲み会などのスケジュール調整に使う「調整さん」を高度化したものです。寄付をされる方が記入されたデータは自動的にエクセル化されるので、わざわざデータベースを作る必要がありません。
ということで「募金」活動もICT技術を活用して行うことになります。ICT技術の中にはZOOMのようにコロナウイルスの影響を受けて利用者が急拡大しているものもあります。コロナが世の中の動きを加速している一例でしょうね。