ラテンアメリカ文学を代表する作家が亡くなりました。享年82。
新潮社から翻訳の出た『百年の孤独』を読んだのは大学生の時だったでしょうか。評判に引かれて本を手に取ったのですが、あまりの面白さに驚愕。「文学がこんなに面白くていいのか」と思ったほどでした。
それまで親しんでいたラテンアメリカの文学といえば、シュペルヴィエルかボルヘスか。どちらも南米の風土そのものというよりは、深いヨーロッパ的教養に裏付けられたコスモポリタンの文学者でした。
が、ガルシア=マルケスは違いました。コロンピアという土地のフォークロアなしには成りたたない、いわゆる「マジックリアリズム」の文学世界。
彼の評価をきっかけに世界文学は、それまでの欧米中心のものから、中南米、アジア、アフリカまでを含む、文字通りの「世界文学」へと変貌したといっていいでしょう。20世紀後半の文学を変えたといっても大げさではありません。
日本においても、大江健三郎、筒井康隆、中上健次らへの影響は顕著です。
『大佐に手紙は来ない』『族長の秋』『予告された殺人の記録』……印象に残る作品はたくさん。もう一度、読み返さなくては。
訃報といえば、「盲目の歌手ホセ・フェリシアーノ亡くなる」という報道もあり、びっくり。
「雨のささやき」や「ハートに火をつけて」の、私の大好きな、あの歌手が……と思ったのですが、これは通信社や新聞社の勘違いによる誤報。同姓同名のプエルトリコのサルサ歌手ホセ・"チェオ"・フェリシアーノさんが自動車事故で逝去したとのこと。
ホセ・フェリシアーノの公式ホームページに確認にいったところ、「ホセと家族は古くからの友人であるサルサ歌手ホセ・"チェオ"・フェリシアーノの突然の訃報に接した……」とあって、「アレレ」と思ったものでした。
今日の野草は、先日、野川公園の自然観察園で撮ったオドリコソウ(踊子草)。
ヒメオドリコソウと同じくシソ科オドリコソウ属。ヒメオドリコソウがヨーロッパ原産の2年草なのに対して、こちらは土着の多年草。花はずっと大きくて、突き出した全長は3センチほど。正面から見た幅も1センチあまりあります。
田舎の高知では道端で見かけたりしましたが、東京では野草園などでしか見かけません。ヒメオドリコソウに追い払われたのでしょうか。それとも、もともと数が少なかった?
いずれにせよ、見かけると嬉しくなる花のひとつ。