引き続き小金井公園の話である。公園内の江戸東京たてもの園は400円の入園料金を払っても入場に値する。その理由はまず園内の飲食が禁じられていることもあり入園者が少ないことだ。ここでは外部の喧騒を離れて比較的静かに自然と建物の調和を楽しむことが出来きる。
まず目に付くのはたてもの園に入って左側の「三井八右郎衛門邸」であ。ここは何度も訪問しているので、靴は脱がず庭園のみを鑑賞する。上の写真は庭の入り口部分である。
庭に回ると僅かな散り残りの花を付けた梅があった。
三井宅の東北に雑木林がありそこに紫色にきれいな花が咲いていた。花の名前がわからないのでワイフが通りがかりのご婦人に尋ねると「ムラサキハナバ」という返事が返ってきた。後でインターネットで調べると「ムラサキハナナ(紫花菜)」ということが分かった。
庭にダイコンバナを植えているワイフによると「この花はダイコンバナに似ているが葉が違う」ということだ。珍しい植物というと西ゾーンにある八王子千人同心の家の庭に藤蔓が絡まるサワラの樹があった。サワラは珍しくないがこれ程蔓の絡まった樹はあまり見かけかない。
たてもの園の中を東に向かって進むと明治以降の商家が並ぶゾーンがあるが、その入り口に古い都電があった。中年の夫婦が携帯で記念写真を撮っている。
都電といえば映画「三丁目の夕日」を思い出すが、このたてもの園も昭和30年代のノリでやっていた。出入り口にある室内展示会場では東京タワー建設当時の庶民の暮らしが再現されていた。ちゃぶ台や小さなテレビを見ると私にも懐かしい思いが募ってくる。
話は前後するが東ゾーンの農家(天明家)で石の手水鉢に彫られている仏様が良い表情をされているので写真に撮った。
本来はカメラ位置を低くして撮影するべきなのだがつい横着をして高い位置から撮ってしまった。次のお地蔵様(だろう)の写真も同様である。弁解する訳ではないが、写真を撮らないワイフ同伴で良い写真を撮ることには限界がある。ワイフはすぐ退屈してしまうのだ。一方仮に良い写真が撮れたとしてもワイフをほったらかしにしていると良い夫婦仲を維持することが難しくなる。人生には常に幾つかの試練が待っているのである。