金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

西東京のかわづ桜

2010年03月12日 | うんちく・小ネタ

12日金曜日は天気の良い一日、このところでは珍しく晴だ。後休(弊社には半日休みの制度がある)を取って、3時前に帰宅した後、久し振りにクロスバイクに乗って市内をポタリングpotteringした。銀行員を中心として会社員の中には休みを取ることを弊風と教え込まれ、理由がないと休みを取ってはいけないと考えている輩がいる。その挙句、休みを取る毎に理由を説明したり、休みを取った後「ありがとうございました」などと挨拶している人が誠に多いが、私から見ると全く無用のことである。サラリーマン(ウーマン)は成果が総てであり、有給休暇をどのように使うかは私の関心事ではない。

働く者にとって有給休暇は権利である。堂々と取ればよい。特別の理由などいらない。Just(stay and) Relax「なにをするでもなく(滞在を)楽しむ」ことのなんと楽しいことか?どれだけ多くの外人がリラックスを人生の喜びとし、どれだけ多くの日本人がこれを罪悪のごとく考えてきたか?・・・・・そしてその挙句日本人が得たものは何程のものか?

いや、高々半日休む位でこんなに屁理屈を述べるのだから、私自身が弊風に染まっているのかもしれない。

本題に入ると自宅から2km程離れたところにある「西東京いこいの森公園」でかわづ桜を観た。

Sakura1

ここにかわづ桜が咲いていることは公園に行ってから思い出した。ひょっとすると深層意識がこの公園に少し早い春が来ていることを告げたのかもしれない。

Sakura2

接写した桜はリアルで美しい。オリンパスのマクロレンズzuiko digital 50は中々良いボケ味を出している。

こちらの写真はオリンパスE-30のファンタジーというオートフィルター機能を使い柔らかい感じに仕上げた。デジタル写真の加工は「どこまであり」なのかは知らないがオートフィルターもありとすると中々面白い写真を取ることができる。

Sakurafanta

日が翳り少し寒くなった公園で私はカメラで花を追いかけていた。しかしできた写真の良し悪しはそれ程問題ではない。カメラは私にとって自然に没入する導管でありカタリストだからだ。

Habotan

葉牡丹、このように背の低い花は花の目線で写真を撮ることが大事だと私は思う。土に顔を近づけると違う風景が見える。

下段にはキンギョソウも咲いていた。白いキンギョソウもあったがこちらは写真になり難い。そこで赤い花を撮ってみた。

Kinngyosou

春はもうそこまで来ている。春の到来はうれしいが、雪山を好む岳人には一抹の寂しさがある。私は明日雪を求めて安達太良山に出かける。

春は花 夏ほととぎす 秋は月 冬雪さえてすずしかりけり  道元禅師

春は花 されど雪恋う 山男    北の旅人

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ドイツの成功は一部隣国の犠牲の上に立つ

2010年03月12日 | 国際・政治

今週のエコノミスト誌はEurope's engineという記事で、「ドイツの成功は一部隣国の犠牲・損失の上に成り立っている。ドイツは自国のためにも隣国のためにも構造改革が必要だ」と論じていた。今の欧州を取り巻く問題を理解する上でも、日本の今後の経済成長策を考える上でも参考になるところがあるのでポイントを紹介したい。

  • 低成長と高失業率に悩むドイツは10年前は欧州の病人だった。しかし今ではリセッションにも関わらず失業率は5年前より低い。ドイツは世界一の輸出国という地位を昨年中国に譲ったが、今年のGDPに対する経常黒字の割合では中国を凌駕するだろう。
  • ドイツの印象的な柔軟性は古い長所と新しい長所の結合の結果である。合意形成型の経営システムは経営者がコストカットを図る時、労働組合を味方につけることの助けとなっている。著名なミッテルスタンド(中堅企業)は、何をドイツ国内で行い、何を海外生産し、何をアウトソースするかを判断しながら段階的に実施している。

ミッテルスタンドについてあるブログhttp://www.heidelberg.com/jp/www/ja/content/articles/recent_news/news2006/061206_polarを見ると、200人から2000人の従業員を抱える企業という説明があった。エコノミスト誌はsmall medium-sized firmsという注釈をつけているが、日本の中小企業と同一視すると誤解を生むだろう。

  • 同時に経済政策は自由化の方向を取った。シュローダー政権は2003,4年に労働市場と福祉システムの改革を行った。欧州の通貨統合によりドイツの単位労働コストは2008年から08年の間に1.4%下落した。(この間フランスは0.8%、英国は0.9%上昇)

ここでエコノミスト誌は、ドイツは自由化政策のおかげでリセッション後も10年前より経済状態が良いことを、アウトソーシングに反対するフランスのサルコジ大統領や高賃金政策を支持する南欧諸国は注目するべきだと述べる。そして同時に「ドイツがコストをコントロールし、輸出を持続させる能力を誇ることは正しいが、成功の一部は隣国の犠牲の上に立っていることを認識するべきだ」と述べる。何故ならユーロという単一通貨で一番メリットを受けたのはドイツであり、ドイツから商品を輸入するユーロ圏内の他国は平価切下げで競争力を維持することはできないからだ。

  • ドイツの優れた輸出能力と倹約性向は巨大な貿易黒字を生み、過剰貯蓄は米国のサブプライムローンやギリシア国債投資に向かった。
  • 赤字であれ黒字であれ、不均衡は永続することはできない。黒字国は自らは道徳にかなっていて赤字国は腐敗しているとみなす傾向があるが、調整の重荷は借り手に圧し掛かるものだ。
  • 一時はタブーだったギリシアの救済について、ドイツの財務大臣がヨーロピアン・マネタリー・ファンドに賛成する意見を述べている。しかしドイツが探すべき調整策は、貯蓄を抑え消費と投資を高めることである。メルケル政権には受け入れがたいと思われるが。

以上エコノミスト誌を要約すると「ドイツはもっと消費に金を回せ、フランス、イタリア、スペインは労働市場の自由化を進めろ、ギリシアやスペインは財政を引き締めろ」ということになる。

☆   ☆   ☆

日本はどうだろうか?10年前と較べて今の経済状態が良いとはいえない。国家財政は間違いなく悪くなっている。労働市場の自由化は製造業派遣の禁止等規制強化に向かっている。

舵取りを間違えると欧州諸国の悪いところばかりを見習ってしまうことになりかねない。今に日本に必要なことは、経済を成長軌道に戻すには何をするべきかということを最優先課題としながら、人気取り的な財政支出を徹底的に削減することだと私は考えている。

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米国株価は適正水準に到達

2010年03月12日 | 株式

3月11日のニューヨーク・タイムズは「米国の株価は適正水準帯に到達している」というあるストラテジストの意見を紹介していた。

米国では株価は小幅ながら3日連続で続伸。S&P500は1月19日につけた15ヶ月振りの高値に並んだ。中国の2月のインフレ率が2.7%と急上昇(1月は1.5%)するという悪材料(中国が政策金利を引き上げ、経済成長を減速させるという懸念)があったが、金融株の上昇が相殺した形だ。

金融株の上昇を牽引したのは、シティのパンディットCEOの「リスク資産は売却し終えたので、持続的な利益体質に戻り始めた」というコメントだ。

この所米国株(日本株もそうだが)が狭いレンジの商いが続いている。投資家は経済の方向についてよりはっきりした兆候を求めて迷っているからだ。

タイムズはRiverSource InvestmentsのJoyチーフストラテジストの「景気回復というコンセプトはもう少し信頼性を加えつつある。我々は株価の適正水準帯に到達している」というコメントを紹介していた。

タイムズは石油大手BPがDevonから70億ドルで探索権を購入するなど企業活動が活発になっている例を紹介して、M&Aが増えていることは経営者が景気が強くなると信じている歓迎すべき兆候と述べていた。

ドルが対円ですこしづつ、強くなる中日本株も堅調に推移している。このままいくと今年の期末は比較的平穏なのだが・・・・・

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