今日(19日)読売新聞朝刊は「政府は昨日(18日)早ければ来年度にも消費税を3%引き上げ、復興財源に充てる検討に入った」と一面で報じた。消費税1%は2.5兆円の税収なので、3%で7.5兆円。3%引き上げは3年間の時限措置で、これで復興財源の大半を賄おうという計画だ。このニュースはロイターを通じて世界に流れた。
昨日はたまたまS&PがAAAの米国国債の見通しを「安定的」から「弱含み」に変更した。巨額の財政赤字と政府債務の増加がその理由だ。
世界的に財政赤字の拡大から、国債への信頼が低下している中、日本が震災復興に向けて税収確保策を示さないと、市場の信頼を得られないというタイミングだったのかもしれない。
枝野官房長官は今日の午前中「政府内で消費税の引き上げが検討されていることを明らかにした上で、具体的財源についてなんらかの特定の方法を検討している段階ではない」とコメントしたが、ポイントは前半にありそうだ。
昨日日経新聞が行なった世論調査によると、70%の人は震災復興のための増税に賛成している。消費税の引き上げを実施するタイミングだろう。ところで70%というと菅首相の不支持率も同じ70%だ。
今誰が首相をしても増税は避けられない状態だが、国民として増税を担う以上は、もう少し信頼できるリーダーが欲しいというのが本音だ。
昨日の国会で菅首相は野党議員から、緊急炉心冷却装置が使用不能になってから、緊急事態宣言まで2時間半かかったことを指摘された。首相が原発危機管理の重要性を認識していなかったことの責任問題が広がる可能性がある。
だが、「この人なら菅首相より格段に頼りになる」という政治家が見つからないのが今の日本の大きな問題。半数の人は民主党も自民党も不信任である。効率的で納得のいく復興資金の使い道が見えない中、3%の消費税引き上げだけが一人歩きをしはじめそうだ。