金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

【イディオム・シリーズ】Bank on

2011年04月08日 | 投資

Bankには名詞としては「銀行」(他に土手という意味もある)で、動詞としては「銀行に口座を持つ」ということになる。Onがついてbank onとなると「当てにする。頼りにする。見込む」という意味になる。今の銀行は必ずしも頼りになるとは限らないから、古き良き時代にできた慣用句かもしれない。

Google financeを読んでいたらあるコンサルタントがWhy I'm banking on emarging financial growth?というタイトルの記事が出ていた。

「なぜ私は新興国の金融業の成長を見込むか?」という意味だ。筆者は今年に入って一部の新興国市場は苦戦しているけれど、新興国の経済成長を捉えるチャンスは沢山ある。しかし間違いをしてはいけない。まず現状を分析して、次に経済成長を捉える最善の戦略をたてるべきだと書き始める。

新興国にとって現在一番重要な問題はインフレだ。インフレは日本を除く先進国でも大きな関心事になりつつあるが、新興国ではより喫緊の課題だ。インドではインフレ率は8.6%で中国でも5%を超えている。各国の中央銀行は政策金利を引き上げている。一般に金利引き上げは株式投資家にとって悪いニュースだが、このコンサルタントは金融セクターにチャンスがあるという。

それは新興国の銀行は先進国の銀行より、バランスシートが健全で、かつ資金需要が旺盛なので市場金利の上昇分を貸出金利の転嫁できるので利益率を向上させることができる。また中間所得層が伸びているので、住宅ローンや消費者ローンの拡大余地が大きいからだ。

従って新興国のbankはbank onできるという話になる。新興国の金融セクターを切り出した上場型投信はニューヨーク証券取引所に上場されている(ティッカーはEFN)。ただし過去のパフォーマンスを新興国全体のパフォーマンスに比べると良くない。その理由は新興国の大きな銀行は国営のものが多いということに関係すると思うが、詳しいことは未分析。

もう少し大雑把に投資するのであれば、MCSIの新興国インデックス投資で十分なリターンを上げることができると私は考えている。

http://www.google.com/finance?q=NYSE:EEM

コメント
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