金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

オバマ再選支持率47%と好調なスタート

2011年04月06日 | 国際・政治

少し前に大統領選再出馬を表明したオバマ大統領。最近のPewResearchの調査によると出足は好調だ。Pewが3月に行なった世論調査によると、47%の有権者がオバマ大統領の再選を望んでいる。共和党候補が勝つことを望んでいる有権者は37%だ。

この支持率を2004年に再選されたGWブッシュの支持率と較べると、当時のブッシュの再選支持率は48%だった。この時はイラク戦争が成功する方向にあると思われていたので、ブッシュ政権の支持率は72%と高かった。一方4月初旬のオバマ政権の支持率は51%である。

つまり現在のオバマ政権と再選前のブッシュ政権を比較すると、政権支持率ではブッシュの方がかなり高かったが、再選支持率ではほとんど違いはない。

その理由は幾つかある。一つは共和党の大統領候補がまだ絞り込まれていないことだ。Pewによると、共和党支持者の中でミット・ロムニーを支持する人は21%、マイク・ハッカビーの支持者は20%、セイラ(セイラの方がセラより原音に近い)・ペイリンの支持者は13%・・・と割れている。

現在のところ民主党支持者の割合は32%で、共和党支持者25%を7ポイントりーどしている。

またオバマ大統領の個人的好感度が高いことも再選支持率の高い原因だろう。オバマに対して58%の人が個人的好感度を持ち、39%の人が非好感的だ。またミッシェル夫人に対する好感度は更に高く69%の人が好感度を示し、非好感的な人は21%に過ぎない。

現職のオバマ有利と見られる次期大統領選だが選挙はミズモノだ。オバマ陣営が勝ちを固めるには、雇用の改善と住宅市場の改善が必要だ。前者については3月はかなり良い数字がでたが、住宅市場はぱっとしない。巷では金融緩和の終焉や利上げのうわさすら囁かれているが、選挙戦を有利に運ぶためには現政権とすれば金融緩和を持続したいところだろう。このような息遣いが連銀に届くものだかどうかは知らないが。

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高濃度汚染水は止まるが株価下落は止まらず

2011年04月06日 | ニュース

朗報は福島第一原発2号炉のピットから流出していた高濃度の汚染水の流出が止まったことが今朝東電によって確認されたこと。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110406/t10015124541000.html

一方東電株価は300円を割り込み上場以来最安値の水準で取引されている。

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110406/t10015126211000.html

2号炉ピットから流出していた高濃度の汚染水が止まったとはいえ、原発事故の収束方向が見えない中、原発被害の範囲が拡大し続けているので、投資家の疑心暗鬼が膨らむのは当然のこと。

菅内閣の方針は「東電を原発事故批判の矢面に立て、政府への批判をかわしていく」というものだ。「補償をめぐる政府と東電の姿勢には早くも食い違いが目立つ。被害者に対する仮払金でも政府は補償責任を負う東電が支払うべきだという立場を取るが、東電の藤本副社長は『東電が仮払いするとは決まっていない』と述べている」(日経新聞4月6日朝刊)

東電が負担するか国が負担するかは、関東地区の住民として実はそれ程大きな問題ではないかもしれない。何故なら最終的にそれは「電気代」か「税金」の形で我々の負担になるからだ。

今回の賠償金額は幾らぐらいになるのだろうか?想像をつけ難いけれど、1999年におきた茨城県東海村のJCO臨界事故の賠償金額が150億円だったことをベースに考えてみよう。

この時の避難者数は150人で今回の避難者数は8万人と約533倍だ。仮に避難者数と賠償額が比例するとすれば、賠償額は7兆5千億円を超える。

これを世帯当りの負担で考えると50万円になる(関東圏の世帯数を1,500万世帯としたアラアラの数字)。

我が家の電気代は冬で2万円、盛夏で1万円、それ以外の時で7千円程度だ。つまり年間15万円程度だ。損害賠償額を7兆5千億円と見積もったのは少し高いかもしれないが、その半分としても世帯当りの負担は25万円だ。

つまり「原発事故が起きてしまった以上我々関東圏に住む人間は年間電気代の2,3倍、世帯当り20万円から50万円程度の負担は覚悟する必要がある」と私は考えている。

今できることはこの賠償額の拡大を少しでも小さくすることではないだろうか?

傲慢不遜の東電の肩を持つつもりはサラサラないが、「実利」という点からは、東電に事故の早期終結を図らせる戦略を取ることが肝心なのだ。東電幹部が「もう東電は破産だ。俺達に何のインセンティブもない」と思わせることが、良い戦略かどうかは慎重に考える必要があるだろう。

コメント (3)
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