今日の昼過ぎにも地震があった。スマートフォンにダウンロードした「なまず速報」で今日の地震の回数を数えてみると21回(ほとんどが三陸沖の地震で東京では感知していない)である。
この余震いったいいつまで続くのだろうか?昨日付けのニューヨーク・タイムズのIn Japan,aftershocks are also felt from within「日本では余震は体内からも感じられる」という記事の中で、米国の地球物理学者Ross S.Stein氏の「余震は少なくとも5年から10年は続く」という言葉を紹介している。
3月11日の地震で震源地付近では海底で24メートルのズレが起きているが、このような大きな動きが起きると大地の中のストレスがシフトし、幾つかの断層線で地震が起きる可能性が高まるからだ(一方別の断層線では地震の可能性が減少する)。Stein氏は全体としては全体としては地震リスクは高まり、亀裂ゾーンから480kmの範囲で地震活動が活発化すると述べる。
東大地震研究所の大木聖子(さとこ)助教は「余震は(最大)マグニチュード8に達する可能性がある」と述べている。
ところで過去の大地震ではどのような余震が起きていたのだろうか?
2004年にマグニチュード9.1を記録したスマトラ大地震では3ヵ月後にマグニチュード8.6の地震が起こり、さらにその後4つのより大きな地震が起きている。
しかし2010年にマグニチュード8.8を記録したチリ地震の後はマグニチュード7.1を超える余震は起こらなかった。
1923年9月1日に起きた関東大震災についてウイキペディアの記事を見ると、4ヵ月後の1924年1月15日に丹沢地震と呼ばれるマグニチュード7.3の地震が起き死者19名負傷者638名の被害が出ている。
今回の東日本大震災は千年前に三陸沖で発生した貞観地震に較べられることが多いが、貞観地震については余震の記録は残っていないそうだ。
さてニューヨーク・タイムズの記事は「幻想地震」つまり実際には地震は起きていないものの、ゆれを幻覚する「地震病患者」が増えているという話だ。
言われてみると私も経験がある。風の強い2,3週間前の週末、書斎で本を読んでいるとゆれを感じたので、天井からぶら下がっている蛍光灯を見たが動いていない。どうも強い風で二階の書斎がわずかに揺れた(春の風位で揺れるとは情けない建物である)ことを地震と感じたようだ。やはりゆれに対して神経が過敏になっているのだろう。
だがこのようなことを所与のこととして、我々は生きていかないといけない。例えば余震が3ヶ月で終わるというのであれば、3ヶ月位山に行かないという対処法があるが、Stein氏がいうように余震が5年も10年も続くというのであれば、腹を括って山でも海でも行くしかないのである(10年も待っていたら老いぼれて山に登れないかもしれないから)。
「災難に遭う時節には災難に遭うがよく候。死ぬる時節には死ぬがよく候。これはこれ災難をのがれる妙法にて候」と良寛和尚は述べられた。地震という自然の力の前ではバタバタするより和尚の心境に近づくことを考えた方がよいのだろう。