日本のタリーズコーヒーの創業者で、みんなの党の参議院議員・松田公太氏がツイッターで次の意見を述べていた。
RT @thasuda: 子ども手当を被災地に送るのは素晴らしいと思いますが、将来の日本のことを考えるのなら、子育て世代のお金を被災地に送るより先に、世代間格差で優遇されている中高年のお金をまず送るべきではないでしょうか?年金を暫定で70歳開始にするとかどうでしょう?
平均的に見ると世代間の所得格差があることは事実で、議論を提起するための極論としての意味はあるかもしれないが、参院議員の発言としてはやや粗雑で乱暴だといわざるを得ない。
というのは現在の雇用延長法の下で、企業は「定年延長」「継続雇用」「定年の廃止」を求められてるが、多くの企業は「嘱託としての再雇用制度」で対応している。この場合60歳から65歳の再雇用期間について公的年金や企業年金の給付水準を考慮しながら、給与を低く抑える制度設計を行なっている。
また65歳以降については、雇い主に雇用義務はないから、年金のみが収入源になっている老齢者が多いはずである。つまり老齢者が一律に優遇されているというのは少し乱暴な話なのだ。
従って年金支給を70歳開始とすると、70歳までの間の雇用をどうするか?ということを考える必要がある。年金の支給開始年齢の引き下げは欧州諸国でも議論され一部実施されているが、雇用面の手当ては考えられているはずだ。震災支援のために年金支給開始をいきなり70歳にするというのは、粗雑で乱暴な話なのである。
ただし年金受給者の中には、かなり高額の企業年金を受給している人や不動産賃貸収入等の収入により、収入の高い人がいることも事実で、それらの人への課税を増やすということは検討されるべきだろう。
例えば年金受給額の大きい人の「公的年金等控除額」を引き下げることで、課税所得を大きくすることなどが考えられるだろう。
ついでにいうと、震災復興に対する財政不足を補うには、公平性と制度的即効性を考えると所得税の定率増税しかないのではないか?と私は考える。消費税の引き上げは必ず実行しないといけないが、時間軸を考えると定率増税しかなさそうである。