金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

やり玉にあがるパチンコと自販機

2011年04月15日 | ニュース

今日(4月15日)東京都議会の民主党が「清涼飲料自動販売機の消費電力抑制条例案」の骨子をまとめたといううわさが流れ、伊藤園の株価が下がっている。

都知事選で勝利した石原知事は開口一番消費電力抑制のために、パチンコと清涼飲料水の自販機をやり玉にあげていた。

東京電力管内には87万台の自販機があるが、自販機1台の年間消費電力は住宅2軒分の相当するという説(検証はしていないが)があるから、自販機の稼働を抑制しようとする動きは説得力がありそうだ。

パチンコや自販機問題で良く引き合いにでるのは「そんなもの外国にはない」という意見。自販機はともかくパチンコは確かに外国にない。十数年前台北に旅行をした時は、日本の温泉場のパチンコ屋みたいなものを街中で見た記憶があったが、今回台北に行った時は見かけなかった。韓国にもパチンコはないから、日本以外にパチンコ屋がないのは事実。

パチンコ屋はないが、一部の外国にはカジノはある。ただしカジノがあるのは、特別な地域か一部のホテルなど。毎日午前中から町の一等地でギャンブル(パチンコをギャンブルと断じることには異論があるかもしれないが)をやっている国はたしかに世界中でどこにもない。ついでにいうとけばけばしい袖看板が、歩道に覆いかぶさる見苦しい風景の街も世界的に珍しい。

東日本大震災時に日本人が整然と対応して、かっぱらいなどがほとんど起きなかった(マスコミには報道されていないが、現地からの情報では盗難も多少あったが)ことに世界中が驚嘆したという話を聞く。この真面目と堅実さと世界で例をみない小口ギャンブルの普及というambivalentな関係をどう理解すれば良いのだろうか・・・・

自販機が普及しているのは、日本の治安の良さと都市景観に対する美学の欠如の表れだろう。治安の悪い国では自販機内の小銭を泥棒が狙う。街の景観を大事にする国では、街角に景観との調和を乱す自販機を設置することに大きな抵抗があるだろう。

石原知事のように「パチンコ、自販機止めてしまえ」とまでは言わないが、抑制するべきだと私も考える。それは電力の削減という観点だけでなく、都市景観を改善し住み心地の良い街を作るという観点からも見直されるべき課題なのである。

コメント (6)
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【台北旅行⑧】故宮、中正記念堂、大きさに圧倒される

2011年04月15日 | 旅行記

台北旅行の第一の目的は、十数年ぶりに故宮博物院を訪問することだった。台北二日目の4月9日土曜日晴、MRTで士林(スーリン)へ行き、そこからはタクシーで故宮博物院へ。博物院のHPを見るとバスで行く方法が書いてある。http://www.npm.gov.tw/ja/visiting/transportation/transportation.htm

ただしタクシーでも大した金額ではない(日本円換算300円位だったか?)ので、タクシーで博物院入り口へ直行する。

博物院の開館時間午前8時30分過ぎに入り口に到着したが、多くの観光バスで乗り付けた(大陸)中国人の団体旅行者の数に圧倒された。現在のところ大陸からは、団体旅行しか認められていないが、台湾・北京政府は個人旅行を解禁する方向で協議を進めているから、数ヶ月の内に中国人の個人旅行が認められそうだ。台湾旅行をするのであれば、中国人でごったがえす前が良いかもしれない。

展示物の質の高さと量の多さにはこれまた圧倒されるのみ。見ていて分かり易いのは、玉や翡翠、象牙などの細工物だ。翡翠から白菜にとまるバッタを彫りだした有名な「白菜バッタ」とも十数年ぶりに再会した。

博物院では「日本語音声ガイド」を借りて、展示物の説明を聞きながら回った。説明は専門的で詳しく時々中途で切ってしまうこともあったが。展示物を見て回った時間は喫茶タイム・昼食を含んで5時間程度。東洋美術に多少関心ありといえど、この辺りが気力の限界である。

昼食は最上階の軽食レストラン・三希堂で「肉うどん」を食べた。牛肉が沢山入っているのに驚き。

写真は故宮博物院の外観。博物院では庭園「至善園」の写真なども撮ったが、露出が不具合だったので省力。

至善園下のタクシー乗り場でタクシーに乗ろうとして「我想去士林」(ウォーシャンチーシーリン)というと、先頭のタクシーの運ちゃんが「俺はいいよ」という感じで二番手のタクシーへ行けという仕草をした。二番手のタクシーの運ちゃんは少し日本語ができて、乗車距離の短い士林駅ではなく台北市内のホテルまでどうだ?というような話をしてくる。しかし当然お断り。運ちゃん連中の間で「あいつら全く中国語の分からない日本の中高年夫婦連れだから、上手く持ちかけると良い客になるかも・・・」などと相談があったのかもしれないが残念でした。

さて士林駅からは地下鉄を乗りついで、龍山寺へ行ってみた。地下鉄龍山寺の真ん前にあるこのお寺は台北で非常に有名なお寺だ。

ご本尊の観音菩薩の他、漁業・航海の守護神である天上聖母や武芸・商業の守護神である関帝(三国志の英雄・関羽)など多くの神様・仏様がまつられている。まさに信仰のデパートだ。

龍山寺からはまた地下鉄で中正記念堂駅へ。ここで蒋介石のモニュメントである中正記念堂を見た。

「中正」は蒋介石の名前、「介石」は字である。この建物は民進党政権下の2007年に「脱蒋介石化」の一環として「台湾民主記念館」と名前を変えられたが、国民党が政権復帰した2009年に再び中正記念堂に戻されている。

国共内戦で敗北した蒋介石が、中国本土より台湾に持ち込んだ歴代王朝の財宝が故宮博物院の所蔵品になり、世界の四大美術館の一つとして訪問者の目を楽しませてくれる。また蒋介石が持ってきた巨額の資金や人材が台湾の発展に寄与した。

一方蒋介石率いる国民党が二・二八事件に代表されるような外省人による内省人(台湾人)の迫害を行なったことも事実。蒋介石の歴史的評価が定まるには、まだ年月を要するのかもしれない。

それにしても大劇場と大音楽ホールを含むこの中正記念堂は目を見張るほど巨大な施設だ。(写真は大劇場)

故宮博物院と中正記念堂を見て、建造物の規模の大きさに圧倒された一日だった。

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