今日(4月15日)東京都議会の民主党が「清涼飲料自動販売機の消費電力抑制条例案」の骨子をまとめたといううわさが流れ、伊藤園の株価が下がっている。
都知事選で勝利した石原知事は開口一番消費電力抑制のために、パチンコと清涼飲料水の自販機をやり玉にあげていた。
東京電力管内には87万台の自販機があるが、自販機1台の年間消費電力は住宅2軒分の相当するという説(検証はしていないが)があるから、自販機の稼働を抑制しようとする動きは説得力がありそうだ。
パチンコや自販機問題で良く引き合いにでるのは「そんなもの外国にはない」という意見。自販機はともかくパチンコは確かに外国にない。十数年前台北に旅行をした時は、日本の温泉場のパチンコ屋みたいなものを街中で見た記憶があったが、今回台北に行った時は見かけなかった。韓国にもパチンコはないから、日本以外にパチンコ屋がないのは事実。
パチンコ屋はないが、一部の外国にはカジノはある。ただしカジノがあるのは、特別な地域か一部のホテルなど。毎日午前中から町の一等地でギャンブル(パチンコをギャンブルと断じることには異論があるかもしれないが)をやっている国はたしかに世界中でどこにもない。ついでにいうとけばけばしい袖看板が、歩道に覆いかぶさる見苦しい風景の街も世界的に珍しい。
東日本大震災時に日本人が整然と対応して、かっぱらいなどがほとんど起きなかった(マスコミには報道されていないが、現地からの情報では盗難も多少あったが)ことに世界中が驚嘆したという話を聞く。この真面目と堅実さと世界で例をみない小口ギャンブルの普及というambivalentな関係をどう理解すれば良いのだろうか・・・・
自販機が普及しているのは、日本の治安の良さと都市景観に対する美学の欠如の表れだろう。治安の悪い国では自販機内の小銭を泥棒が狙う。街の景観を大事にする国では、街角に景観との調和を乱す自販機を設置することに大きな抵抗があるだろう。
石原知事のように「パチンコ、自販機止めてしまえ」とまでは言わないが、抑制するべきだと私も考える。それは電力の削減という観点だけでなく、都市景観を改善し住み心地の良い街を作るという観点からも見直されるべき課題なのである。