金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

森を歩くと生命(いのち)がわかる

2011年10月04日 | うんちく・小ネタ

注意深く森を歩くと生命の流れを感じる時がある。この前苗場山から赤湯へ向かってブナの林を歩いている時、ブナの巨木が倒れて青空が広がっている場所があった。

倒木の周りにできた空き地の中では日の光を受けたブナの幼木がすくすくと伸び始めていた。一人が「ブナって倒れると直ぐ朽ちるのですよね」といった。巨木は命が尽きた時静かに倒れ早々と大地に帰っていく。そしてその後に子孫達が育っていく。生命のバトンはこのようにつながっていく。

「人間もこうありたい・・・・」と思う。やるべきことをやり終えたら静かに身を引き、後輩達に青空のような将来を残したいものである。朽ちてもなお周りの木に寄りかかりながら枯れて、若木に当る陽光を妨げることはしたくないものである。

土砂が崩れて崩壊した斜面があった。そこが過去ブナ林であったとしても直ぐにブナが育つわけではない。崩壊した斜面には下草が生え、潅木に変わり、やがて沢胡桃(さわくるみ)のように荒地に強い木が育っていく。ブナが育つのはその後だ。ブナは森の最終相である。だがそのブナもまた土石流で倒れる時があり下草からの循環に回帰する。

森を注意深く歩くと、この世に変わらないものはないのだ・・・ということを体感する。

ところで下山口に近いところで幹が密着した面白い姿のブナの木を見た。

連理の枝のようなブナだ。年を取っても夫婦支え合って行きなさいという教えかなぁ。

森を歩くと生命を教えられる。

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米国株、弱気相場入りの崖っぷち

2011年10月04日 | 投資

FTによると昨日S&P500は今年の高値から19.4%下落した。ピークから20%の下落が弱気相場(ベアマーケット)の定義だからまさに崖っぷちだ。下落が激しかったのは銀行株で4.5%下落した。

銀行株が急落した理由は、フランス、ベルギーの合弁銀行デクシア~事情通によるとギリシャ国債を209億ユーロ保有している~が、バッドバンクを分離して清算するのではないか?という観測が市場に流れたからだ。デクシアについてはフランスとベルギーが要求があれば保証を行なうという仕組みがあるといわれているが市場はそれを無視した。

デクシアなどギリシャへのエクスポージャーが高い欧州の銀行株が急落した理由はギリシャが2011年の予算計画を達成できないことが明らかになったからだ。

これに対し欧州各国の財務大臣達はギリシャの予算に対し新しいゴールを設定すると示唆した。これはギリシャの11月の資金繰りに必要な80億ユーロの融資へ道を開くものだが、それだけでは市場は納得しなかった。

米国の銀行では市場性資金への依存度が高いモルガンスタンレーが信用不安の噂に苦しんでいて月曜日に株価は7.7%下落した。またクレジットデフォルトスワップの558bpとリーマンショック後のレベルまで高まっている。

モルガンスタンレーの最大の株主三菱UFJファイナンシャルグループは「当社は長期的な戦略パートナーとしてしっかりとコミットしている」というステートメントを発表した。

このような話を聞くと90年代の後半一部の信用力の弱い邦銀(私もその中にいたので良く知っているが)が、格付の高い米銀などとのアライアンスを強調して機関投資家の不安をなだめようとしていたことが思い出される。

時代は繰り返す。This time is differentではなく今回も同じだ。

それにしてもギリシャで起きたデフォルト懸念が欧州の銀行に波及し、その恐怖が大西洋を渡って米銀を襲いそして日本まで波及するという信用不安津波は大きい。

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「ウオールストリート占領運動」とは

2011年10月04日 | ニュース

先週土曜日(10月1日)にニューヨークのブルックリン橋で、未許可のデモを行い、自動車レーンをふさいだことで700名以上の逮捕者を出した「反ウオールストリート運動」。

Occupy Wall Street http://occupywallst.org/という運動の中心になっているホームページによると、この運動は「指導者のない、多くの人種や性別、政治的主張を包含したした運動」で、共有する理念は「我々は1%の人々の貪欲や不正にもはや我慢のできない99%の人間」で「アラブの春戦略を使い、非暴力的に目的を達成する」というものだ。

3週間前に始まったこの運動はロスアンゼルス、シカゴなど全米に広がっている。ニューヨーク・タイムズは「ウオールストリートのデモは今年首都ワシントンで起きた経済や雇用問題に対するデモに追随して起きた」というワシントンの運動家の意見を紹介している。

「不満をぶちまけることは政治的・社会的運動の最初のステージだ」とジョージタウン大学のKazin教授は述べる。しかし同教授は「現在の抗議活動が組織的で政治的な目標を形成する持続的な運動になるかどうかは明らかでない」と述べる。

Occupy Together (「一緒に占領しよう」)というウオールストリート占領運動の全国版のハブ(HP)には、全米各地に加えて欧州や東京で運動立ち上げが呼びかけられている。因みにこちらが東京への呼びかけけ。

http://www.occupytogether.org/events/international/asia/occupy-tokyo/

フェイスブック、ツイッター、グーグルなど最新のコミュニケーションツールで草の根的に発生した抗議運動だが、東京でも少し動きがでるだろうか?

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