FTは先週末欧州当局の交渉団がギリシャ国債の保有者に対して額面の6割カットを求めたことを明らかにした。これは3ヶ月前に当局と民間投資家の間で合意された内容よりもはるかに厳しいもので、強硬路線を主張していたドイツの勝利である。
これに対して欧州中銀やIMFはクレジット・デフォルト・スワップの引き金が引かれることで、パニックが起きるのではないか?と懸念を示していた。クレジット・デフォルト・スワップ市場は透明性がそれ程高くないのでどの金融機関が損失を蒙るか?と市場が疑心暗鬼になるからだ。
しかし土曜日の夜にフランスのサルコジ大統領、トリシェECB総裁は交渉団の代表ヴィトリオ・グリッリ(イタリア財務相幹部)と会い交渉の委任状を渡した。
サルコジ大統領の決断は大きな前進だ。次のステップは額面の6割カットがデフォルト・スワップ契約のクレジット・イベントに該当するかどうかという問題だ。ドイツ政府の幹部は「我々はクレジット・イベントとなることを回避するべく努力中だ」と述べている。