金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

Leverage、英語的な表現の裏を考える

2012年11月20日 | ネパールトレッキング

ネパールから帰ってこの2,3日灰神楽が立つほどバタバタしている。荷物を整理したり、溜まっている電子メールを読んだり、相続学会の設立総会のため領収書・スタンプ台等の雑品を買いに行ったり、月末予定のトレッキング報告会の案内をメールしたり会場を予約したり・・・である。

今日は今日で夕方からブロガーの集会に招待されたので赤坂まででかける予定だ。

そんなにバタバタしているのならブログ何か書かなきゃ良いのに、と思われるかもしれないが、忙しいとまたブログが書きたくなるから変なものである。

さてブログの話を本題につなげると、ネパール旅行中旅行会社の社長の自宅に招かれて夕食をご馳走になったことがあった。その時社長から「日本からの旅行客を紹介して欲しい」という依頼があり、僕は次のように答えた。

I will leverage myself by writing  suprerme experience in my blog to attract potential trekkers.

直訳すると「トレッキング予備軍を魅了するため、僕の至高体験をブログに書いてレバレッジを効かせたい」という意味だ。

Leverageと言う言葉はLeveraged buyoutなどのように少ない資本金を使って多額の借金をして大きな取引を行う 場合に使われる。

また自分の経験を本やメディアを通じて発表し多くの人に影響を与える場合もleverageという言葉を使う。私がこのような使い方を初めて見たのは一昔前マジェランファンドの運用で一世を風靡したピーター・リンチにある記者がYou've also been able to leverage yourself by writing books three so far.「あなたは今までのところ3冊の本を書いて自分の経験にレバレッジをかけることができましたね」と質問した時のことだ。

言葉に独創はない。優れた表現をまねるのみである。だが言葉をまねるということは知らず知らずの内にその背後の思想をまねることにつながる。

ということで私の中ではLeverage効果ということを考えることが多い。例えば発展途上国に対する教育支援も私はLeverageの観点から考えている。同じ金額を援助するにしても、広く薄く援助を行う方法と優秀な生徒にのみ奨学金を与えるという方法がある。どちらの方が資金が生きるか?どちらの方が波及効果が大きいか?

もし優秀な生徒にのみ奨学金を与える方法を取った方が全生徒の学習意欲が高まり、成績が向上したとするならそれはLeverage効果が高かったということになる。

多くの人にネパールに目を向けて貰うべく私は断片的なネパール旅行記をブログに掲載し始めている。思い出すことを思い出すままに書いているので当面断片的だが、やがて熟成してもう少しまとまった旅行記になっていく、と考えている。

私の小さなブログからもし新たな旅人が一人でも二人でも生まれるなら望外の幸せである。

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英語で「立替払い」なんていうの?

2012年11月20日 | ネパールトレッキング

ポカラ(ネパール第二の都市)の近くの村の文房具屋で、校舎を寄贈する小学校の生徒向けにノートを買っていくことになった。文房具屋と交渉をしてくれたのは旅行代理店の人(ネパール人)だ。金を支払う段になって幹事のシュンさんが「手持ちのルピーが少ない。代理店の人に立替払いしといて、といってや。立替払いって英語で何ていうや?」とツルさんと僕の方を見た。

ツルさんはある大手重工で長年海外勤務をしたベテランだが「そんなの知らんわ」とあっさり。シュンさんがまた僕の方を見るので、僕はしかたなく代理店のネパール人に向かってI'll pay laterと叫んだ。すると代理店の人はすぐ分かってくれて文房具屋にお金を払ってくれた。

その後しばらく「立替金」の話になった。シュンさんは「あんたらアカンなぁ。長年外国にいても立替金という言葉も知らんのか」と言いたいことをアッケラカンという。シュンさん、ツルさん、僕は年は離れていても同じ山岳部の釜の飯を食った仲間でまったく気のおけない仲だ。

ツルさんと僕は反論する。「外国では立替なんてあんまり使いませんのや。お互いあまり信用できんからいつもニコニコ現金払い。」とシュンさんを煙に巻いてしまった。

★     ★    ★

むろんこれは強弁である。たまたまその時思い出さなかっただけで、英語では立替金のことをadvanceという。英辞郎on the Webを見るとAdvance to employees(従業員立替金)という例が出ていた。少しややこしいことに前払金もadvanceである。Payment is required in advanceというと「代金は前払いでお願いします」という意味だ。

さて前記の状況でadvanceという言葉がすっとでると格好良いことは間違いないが、いざ使うとなると少し大げさな気がしないでもない。むしろ「あとで払うよ」という直截な言い方の方が口語的だと僕は思う。これまた負け惜しみか?

でもこれが山屋の実戦的英語なのだ。

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日本相続学会を立ち上げた

2012年11月20日 | 社会・経済

昨日(11月19日)日本相続学会http://www.souzoku-gakkai.jpを立ちあげ、第一回のセミナーを行った。私自身は相続問題に関して特段の専門性はもっていないが、主唱者の伊藤久夫さんと長年親しくしていた関係から事務局のお手伝いをした次第。

もっとも事務局といっても、設立総会前の繁忙時にネパールに行っていたので、会長の伊藤さんに「おんぶに抱っこ」になってしまったが。

学会の設立については、法律の専門家の吉田修平弁護士(政策研究大学院大学客員教授)や税務の専門家の平川茂税理士の方々と意見を交換しながら、「設立目的」を練りあげていった。

そして最終的に「円満かつ円滑な相続」を目標として、「相続学」という学問領域の確立を行い、研究成果を社会に公開するとともに適時「政策提言」を行うということになった。

より具体的にいうと相続問題に関して調和がとれていない「税と民法」の調和を提言していくなどということがテーマの一つだろう。

学会の英文名はJapanese Inheritance Associationとした。英文名を付けるに際して欧米で同様の学会があるか調べてみたが、ざっと見た範囲ではなかった。欧米で相続学会がない理由は分からない。勝手な推測を述べると「実務的・手続き的な問題」で学問になじまない・・・ということなのだろうか?

「相続」という問題は狭く捉えると「死亡による財産の移転に関わる手続き問題」ということになる。しかし今日相続問題がしばしば「争族」問題といわれるように、親の遺産相続をめぐって兄弟間で深刻な対立が起きるといった話はしばしば実務家から聞く。

明治のキリスト教思想家・内村鑑三はやや意外な気がするが「まず事業を残せ」といった。事業は多くの人を育むからである。「次の金を残せ」といった。金は使い方によっては多くの人を助けるからだ。そして「事業も金も残せない人は清らかな生き方を残せ」といった。清らかな生き方は周りの人々の灯火になる。

統計的には相続争いは相続財産が多い層よりも、少ない層~例えば居住用不動産以外に金融資産等分割可能な少ない層~でよく起きていると聞く。「金持ちケンカせず」の反対である。

「事業も残せず、金も残せず、清らかな生き方も残せず」むしろ死後の争いを残すのでは人生は余りにむなしい。

相続問題を考えるということは、己の死といういつ起きるかは分からないが必ず起きる未来の一時点に自分を起き、そこから現在の自分を鳥瞰するというある意味では内省的な作業である。

隠し事の少ない(ないが理想だが)、健康で家族に大きな負担をかけない生き方をするにはどうすれば良いか?と考えることが争いの少ない相続のスタート点だと私は考えている。

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