ネパール旅行やトレッキングにネパール語の会話力は必要だろうか?
結論からいうとネパール語の会話力はほとんど必要がない。その理由は必要な場所でほとんど英語が通じるからである。
写真は今回のトレッキング中で一番奥のキャンジン・ゴンパのロッジでメニューを撮影したものだ。ご覧のとおりメニューは総て英語である。
トレッキングでゲストハウス(ロッジ)と呼ばれる宿泊施設に泊まるのはほとんどトレッカーで非ネパール人である。またトレッカーは通常ネパール人のガイドを雇う。ガイドは英語が分かるのでガイド付でトレッキングを行う限りネパール語を使う必要はない。
また街中の商店、特に観光客がよく訪れるカトマンドゥのタメル地区の商店などでは英語がよく通じるのでネパール語は必要ないだろう。
語学習得に特殊な能力があるならいざしらず、ネパール旅行に備えてネパール語を勉強する、というのならちょっと考えものである。ネパール語を勉強する時間があるならば、あやふやな英語を確実にしておいた方が実用的である。
たとえば写真のメニューで左上のPORRIDGEが何であるか直ぐ分からなかった人はネパール語のことなど考える前に英語を勉強するべきだろう。
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もっとも上記のように観光やトレッキングにネパール語は必要はない、といったもののそれは必要条件の話である。旅に味を添える意味では言葉の知識はあればあるに越したことはない。
例えば今回トレッキングで最初に泊まった村をThulo Syaphruといい、最後に泊まった村をSyaphrubesiといった。共通するのはSyaphruという単語だし、またThuloという言葉は他の地名にも出てくるので言葉に意味を聞いてみた。するとThuloは「上」を意味し、besiは「下、川のそば」を意味することが分かった。つまりThulo Syaphruは「上シャプル」でSyaphrubesiは「下シャプル」なのである。このようなことを知っていると地名から地勢を想像することができる。
またランタン渓谷の奥にはGanchenpo(6,387m)という大きな山が見えた。ガイドに「あの山の名前は何だ?」ときくとガイドは「俺は知らん。地元の人に聞いてくる」と言って調べてくれたのがGanchenpoの名前だった(地図でも照合しているので間違いはない)。その名前の意味を聞くとGanは「山」でchenpoは「大きい」という意味だそうだ。つまり「大山」である。
このような雑学は旅の疲れを癒してくれる。雑学であれ知識はないよりあった方が良いに決っている。だが限られた時間の活用となると話は別だ。
繰り返しになるけれど不確実な英語をなおざりにしてネパール語を勉強する、などというのは非常に非効率な話である。きちんとした英会話力があれば、ネパール旅行で心配はない、ということはキチンと理解しておいた方が良い。