金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

トレッキングにネパール語は必要か?

2012年11月18日 | ネパールトレッキング

ネパール旅行やトレッキングにネパール語の会話力は必要だろうか?

結論からいうとネパール語の会話力はほとんど必要がない。その理由は必要な場所でほとんど英語が通じるからである。

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写真は今回のトレッキング中で一番奥のキャンジン・ゴンパのロッジでメニューを撮影したものだ。ご覧のとおりメニューは総て英語である。

トレッキングでゲストハウス(ロッジ)と呼ばれる宿泊施設に泊まるのはほとんどトレッカーで非ネパール人である。またトレッカーは通常ネパール人のガイドを雇う。ガイドは英語が分かるのでガイド付でトレッキングを行う限りネパール語を使う必要はない。

また街中の商店、特に観光客がよく訪れるカトマンドゥのタメル地区の商店などでは英語がよく通じるのでネパール語は必要ないだろう。

語学習得に特殊な能力があるならいざしらず、ネパール旅行に備えてネパール語を勉強する、というのならちょっと考えものである。ネパール語を勉強する時間があるならば、あやふやな英語を確実にしておいた方が実用的である。

たとえば写真のメニューで左上のPORRIDGEが何であるか直ぐ分からなかった人はネパール語のことなど考える前に英語を勉強するべきだろう。

★    ★    ★

もっとも上記のように観光やトレッキングにネパール語は必要はない、といったもののそれは必要条件の話である。旅に味を添える意味では言葉の知識はあればあるに越したことはない。

例えば今回トレッキングで最初に泊まった村をThulo Syaphruといい、最後に泊まった村をSyaphrubesiといった。共通するのはSyaphruという単語だし、またThuloという言葉は他の地名にも出てくるので言葉に意味を聞いてみた。するとThuloは「上」を意味し、besiは「下、川のそば」を意味することが分かった。つまりThulo Syaphruは「上シャプル」でSyaphrubesiは「下シャプル」なのである。このようなことを知っていると地名から地勢を想像することができる。

またランタン渓谷の奥にはGanchenpo(6,387m)という大きな山が見えた。ガイドに「あの山の名前は何だ?」ときくとガイドは「俺は知らん。地元の人に聞いてくる」と言って調べてくれたのがGanchenpoの名前だった(地図でも照合しているので間違いはない)。その名前の意味を聞くとGanは「山」でchenpoは「大きい」という意味だそうだ。つまり「大山」である。

このような雑学は旅の疲れを癒してくれる。雑学であれ知識はないよりあった方が良いに決っている。だが限られた時間の活用となると話は別だ。

繰り返しになるけれど不確実な英語をなおざりにしてネパール語を勉強する、などというのは非常に非効率な話である。きちんとした英会話力があれば、ネパール旅行で心配はない、ということはキチンと理解しておいた方が良い。

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海外旅行に便利なNexus7

2012年11月18日 | ネパールトレッキング

ネパール旅行&トレッキングではNexus7を大いに利用した。時間的に一番利用したのは、グーグルやアマゾン(キンドル)から取り込んだ電子書籍の読書である。海外旅行では「待ち時間」が多い。入出国、ビサの申請、乗り換えフライト待ちなどである。飛行機の中も気に入った映画がないと退屈する。こんな時電子書籍は非常に便利だ。何が便利か?というと小さなタブレットに数十冊の本を入れて持ち運びができることだ。

Nexus7

画面が明るい上、必要なら文字を拡大することができるので暗いところやメガネなしでも読めるので紙の本より私は便利だと思っている。特にトレッキングにでるとロッジは暗いのでバックライトが明るいと便利だ。外人トレッカーは本好きの人が多く、我々日本人がビールを傾ける中、黙々とキンドルで読書をしている人がいたことを記憶している。

本を丸ごと取り込む以外に、紙の本やパンフレットの一部を写真で取り込んでおく方法もある。私はLonely Planet社のネパールトレッキング本の必要箇所を写真に撮って取り込んでいたが、トレッキング中も大変役にたった。

私はあまり使わなかったけれど、イヤホンをつけて自分の好きな音楽を聴いてリラックスしていることも可能だ。またゲームをして時間をつぶすことも可能だ。

インターネットへのアクセスについては別の機会に詳しく述べたいが、国際空港では幾つかの制約はあるものの無料でWiFiを使うことができて、電子メールの送受信、フェイスブックやブログへの投稿、新聞の閲覧等ができた。

たとえばバンコクのスワンナプーム空港ではパスポートを見せると1時間のWiFiアクセス権をただでくれた。なおビジネスクラス利用などでVIPルームが使えると無料WiFiが使い放題だ。

その他今回はあまり使っていないが、「録画・録音機能」「辞書機能」(インターネットに接続がない場合どれほど辞書が使えるか不明)など便利な機能が他にも幾つかある。

ところで海外旅行で使うタブレット端末として非常に重要なことはサイズにある、と私は思っている。写真のとおりウエストポーチに楽々と入る7インチがサイズの上限だろう。

今のところそれ程多くの人がタブレットを活用しているようには見えなかったが、1年後ネパールを再訪することは、いたるところで7インチタブレットを片手にしている人を見るはずだ。

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ランタン谷と槍沢を比較した

2012年11月18日 | ネパールトレッキング

ランタン谷を歩いている時「この雄大で美しい谷を日本で比較するならどこだろうか?」という思いがふと浮かび、それは槍沢しかない、帰国したら槍沢との比較を行なってみようと考えていた。

Yari

写真はランタン渓谷のトレッキングルート(赤線)と槍沢(黒線)を比較したものだ。ランタン渓谷トレッキングのスタート地点シャブルベシShyaphru Besiの標高1,460mは上高地の標高(1,500m)とほぼ同じだ。

上高地から横尾までは緩やかな道で多くの人が散策するところで、水平距離は16kmだが高度は100mしか上昇しない。一方ランタン渓谷は水平距離を16km歩くと標高は3,000mを超えている。

横尾から槍沢ロッジまでの登りは緩やかだが、それから先は傾斜は急になる。最終氷河期(ウルム期)には氷河の末端が横尾付近まで延びていたといわれるから、槍沢ロッジから上は完全に昔氷河だったところを歩いている訳だ。

ランタン渓谷では標高3千メートル弱のゴラタベラから上は傾斜が緩やかになり、広大なU字渓谷がキャンジン・ゴンパに向けて広がる。最終氷河期にランタン渓谷ではこの付近まで氷河が延びていたという話だ。

Chemganpo

(写真は広大なランタン渓谷とその奥にみえるGanchenpo6,387m)

登山日数を比較してみよう。上高地からの槍ヶ岳登山は1日目が槍沢ロッジ、2日目が頂上直下の槍ヶ岳山荘泊まりか槍沢ロッジ泊まり、3日目が上高地という2泊3日プランが標準だ。標高差1,700mを1.5日から2日で登る計算だ。

ランタン渓谷ではシャブルベンシからキャンジン・ゴンパまで標高差2,400mを3日で登り、2日で下山するというのが最短スケジュールのようだ。もっともキャンジン・ゴンパ一泊で帰る人は少なく、2,3泊してランタン氷河の末端を往復する人が多いようだ。

疲労度や足の筋肉の負担を考えると、槍ヶ岳登山の方がランタン・トレッキングよりきついかな?という個人的な印象を持つ。登山にはその時の天候・気温の影響も大きい。快晴で空気が乾いていたランタン渓谷と雨の中を槍沢ロッジから上高地まで延々と歩いた9月の槍ヶ岳登山が比較されるので、槍ヶ岳登山のハードさが目立つのかもしれないが。スケールは小さいが一日当たりの運動量が多いのが日本の山登りで、スケールが大きいところをゆっくり歩くのがヒマラヤ・トレッキングである。

高度順応や現地食への適応力の問題を除くと槍ヶ岳に登る程度の体力がある人であれば誰でも行けるのがランタン渓谷のトレッキングなのである、と私は考えている。

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