梅雨の最中であるが、山仲間と夏山登山の計画について打ち合わせを始めている。7月下旬に出かけるとするとJRの切符の予約開始まで後10日程になってきたからだ。
ところで夏山登山に備えて準備したいことの一つは暑さ対策、より具体的には暑熱順化だ。高度が100m上昇すると0.6度気温が下がるから、高度2千メートルでは平地より12度低く、高度3千メートルでは平地より18度低いということになる。また風速が1m増すごとに体感温度が1度下がると言われているから、風が吹く山の上は涼しいはずだ。そう、実際に尾根筋や頂上に登ると涼しい風に吹かれることが多い。アルプスの朝夕は寒いと感じることもある。
しかし経験からいうと、夏山登山中に暑さでバテる人は多い。私も何年かに一度は夏山でヘバリ気味になることがあるが、その原因は暑さだ。特に日射が強い時や風がない時は要注意だ。熱中症まではいかないが、暑さにやられるのである。無論人並みの対策は考えている。「ツバが大きく遮熱性のある帽子をかぶる。特に首筋に直射日光が当たらないように気をつける」「こまめに水を飲み、発汗作用で体温上昇を防ぐ」「バックパック(リュックサック)と背中の間の通気に工夫する」などである。
だが一番の暑さ対策は「暑熱順化」を進めて、暑さに強い体を作っておくことだろう。振り返ってみると暑さに強い体を維持できた夏はヘバリを感じず、暑さに強い体を維持できなかった場合は、寝不足などが引き金となり、ヘバリを感じたことがあるようだ。
人間の体は、夏がくると脂肪が減り、体熱を放射しやすくなり、また汗をかいて体温を下げやすくなるようにできている。だが冷房への依存度合いが高過ぎると、あまり汗をかかず暑熱順化が進まないことがある。暑熱順化が進んでいないと、暑さにやられ、悪い場合は熱中症になる。
なんて偉そうなことを書きながら、湿度が高いのでエアコンをつけていた。反省。窓を開けて、外の風を入れよう。暑熱順化を進めて、今年も3つ4つ夏山を登ってみよう。