金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

中国のクレジット・クランチ懸念でアジア株急落

2013年06月20日 | 投資

今日(6月20日)のグーグルファイナンスの画面は真っ赤である。株価が上昇すると緑、下落すると赤。日経平均は▲1.74%、香港のハンセン指数は▲2.67%、韓国KOSPI▲2%、インドのSensex▲2%と軒並み大幅下落。昨日の米連銀バーナンキ議長の債券購入プログラム縮小予想発言で、足の早い資金がエマージング市場から逃げ出すため、アジア株の下落は予想されていたが、中国の景気が予想より悪いことも拍車をかけた。HMBCとマークイットエコノミクスが発表したPMIは、ブルンバーグの市場予想平均49.1を下回る48.3だった。

中国の1週間もののレポレートは、2006年以降でもっとも高い水準まで上昇した。政府が金融問題を整理するため大鉈を振るうという観測があり、近い将来、クレジット・クランチが起きると予想する人もいる。

エマージング市場にはダブルパンチの6月となった。

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米連銀、QE3終了への道筋を示す

2013年06月20日 | 投資

市場関係者が注目していたFOMC後のバーナンキ議長のコメントは「失業率が連銀が予想しているペースで改善すれば、今年後半には債券購入プログラムの削減に着手し、来年半ばには終了するだろう。失業率が約7%に低下するまで債券購入プログラムを続ける。」というものだった。債券購入プログラムの終了は「失業率の改善」が前提条件なのだが、市場は債券購入プログラムの終了という結論を重視して、ダウは200ポイント(1.4%)下落した。

連銀の経済見通しは楽観的で、景気後退に陥るリスクは昨年秋から減少していると述べている。また失業率の見通しについては(議長コメントとは別だが)、先月7.6%だった失業率は来年末までには6.5%-6.8%の水準まで低下すると予想。これは3月時点の予想(6.7%-7%)より回復ピッチが早い。

連銀が昨年9月にQE3を開始してから、経済状況はゆるやかに改善している。雇用は月平均197千人のペースで増えているし、失業率は昨年9月の7.8%から5月の7.6%に低下した。しかし懐疑的な見方をすると、人口増が続いているアメリカでは、月20万人程度の雇用増では就業率は増えておらず、リセッションで負った傷は癒えていないという見方もできる。

議長発言後の株価下落は、速すぎるQE3終了見通しに対する警鐘だったのだろうか?あるいは噂で買って事実で売るという市場のいつもの動きだったのだろうか?

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