金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

証券会社の電話は株価下落のサイン?

2014年05月21日 | うんちく・小ネタ

今日(5月21日)名古屋の相続学校で講演をした。
講演の内容はいずれブログにも載せてみたいが、今日は講演後の質問の中からちょっと気になった話題を一つ。

ご質問をされたのは少し高齢のご婦人。質問内容は今日の講演内容とは直接関係はなく「最近証券会社からNISAを勧められるが、NISAは普通に株や投信を買うよりリスクは少ないの?」というものだった。

質問に対する直截な回答は「NISAか普通の取引(特定口座等)かの違いは、配当や譲渡益が非課税になるかどうかの違いでリスクの度合いとは直接関係ありません」というものである。もっとも投資の講演であれば、「とはいってもNISAの活用方法としては、配当利回りの高い銘柄や割安株を買うという戦略を立てるでしょうから・・・」と話を膨らませることも可能であった。

ただ時間もなかったので、冗談交じりに「仮にNISAで投資するにしてもタイミングというのはありますよね。個人的な意見だけれども証券会社が投資を勧める時は株が売れない時だと思いますよ」といって話を結んだ。

「証券が盛んに電話をかけてくる時が株が売れない時」というのはある程度事実だと私は思っている。相場が活況で上昇傾向が見えている時は目端の利いた人間は自分で買いにくる(インターネットなどで)。だから営業攻勢をかけなくても、委託手数料は増える訳だ。一方株価の先行きが不透明な時は投資家(あるいは投機家?)は様子見をする。だから売買高が縮小し証券会社の儲けも減ってくる。そこで営業部隊の尻が叩かれ、私のような上顧客でないところまで電話がかかってくるのである。

不活発な相場の後に必ず株価が下落するか?ということは断定は出来ないが、逆ウオッチ曲線の特性からいうと相場が下落する可能性が高いと私は考えている。
逆ウオッチ曲線理論からいうと、相場の上昇の前には活発な取引があり、やがて株価の上昇が起こる。株価が一定レベルまで上昇すると取引量が減少し始める。初期の段階では株価は急速には下落しないで足踏みが続く。さらに取引量が減少すると株価は下落し始め、ある日株価は急落する。

と考えるとやはり証券会社からの電話が増えるのは株価が下落するサインと考えて良い場合が多そうだ。

少なくともセールスマンが「本当にここが底だと思ってbottom fishinngを勧めるようなことはあり得ない」と私は確信している。

コメント
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