HSBCが世界15か国で1.6万人の勤労層と退職者層に行った調査によると、セミリタイアを望む人の数が急増している。
アメリカでは現在の勤労層の42%が、完全退職の前にパートタイムで仕事をしたいと考えている。これは現在の退職者でパートタイムで仕事をしている人の割合22%の倍近い数字だ。
世界的にみると勤労層の半分以上がセミリタイア(パートタイムで働くこと)を希望している。
セミリタイアを希望する理由のトップは「体と精神を活発にしておきたい」で41%の人があげている。
一方退職者に退職後の目標としていた項目の達成状況を調査したところ次のような結果となった。
広範な旅行Extensive travelを達成した人は35%で、未達の人は19%
海外に住むという目標を達成した人は2%に留まり、希望しながら未達の人は13%いる
(一つの)外国語を勉強したいという目標を達成した人は5%で、希望しながら未達の人は13%
頻繁に休みを取りたいという目標を達成した人は50%で、希望しながら未達の人は11%
本を書きたいという目標を達成した人は3%で、希望しながら未達の人は11%
もっと運動したい・スポーツをしたいという目標を達成した人は33%で、未達の人は10%だった。
家族や友達と過ごす時間を増やしたいという目標を達成した人は60%で、未達の人は5%だった。
調査結果を見ると、あまりお金と労力がかからない目標(頻繁に休みを取る、家族や友人と過ごす時間を増やす)については達成度が高いが、労力とお金がかかりそうな目標(海外に住む、外国語を勉強する、本を書くなど)については、達成度が低いことが分る。
退職後の目標の立て方には工夫がいるということだろう。
達成が不可能・極めて困難な目標設定はストレスを増やすだろうし、簡単に達成できる目標ではモチベーションが高まらない。
継続的な努力を続けると達成できるというのが、良い目標設定なのだろう。そのような目標を見つけることができるかどうかが、happy retirementの分岐点になるのかもしれない。
中国の古典(礼記)には、「志は満たすべからず 楽しみはきわむべからず」という言葉がある。
私は夢や楽しみを極めてしまうと面白くないと解釈している。そうだ、とすると未達のゴールがあることは悪いことではないのかもしれない。
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