金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
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志は満たすべからず? 退職後の夢は遠い(HSBCの調査から)

2015年05月05日 | うんちく・小ネタ

HSBCが世界15か国で1.6万人の勤労層と退職者層に行った調査によると、セミリタイアを望む人の数が急増している。

アメリカでは現在の勤労層の42%が、完全退職の前にパートタイムで仕事をしたいと考えている。これは現在の退職者でパートタイムで仕事をしている人の割合22%の倍近い数字だ。

世界的にみると勤労層の半分以上がセミリタイア(パートタイムで働くこと)を希望している。

セミリタイアを希望する理由のトップは「体と精神を活発にしておきたい」で41%の人があげている。

一方退職者に退職後の目標としていた項目の達成状況を調査したところ次のような結果となった。

広範な旅行Extensive travelを達成した人は35%で、未達の人は19%

海外に住むという目標を達成した人は2%に留まり、希望しながら未達の人は13%いる

(一つの)外国語を勉強したいという目標を達成した人は5%で、希望しながら未達の人は13%

頻繁に休みを取りたいという目標を達成した人は50%で、希望しながら未達の人は11%

本を書きたいという目標を達成した人は3%で、希望しながら未達の人は11%

もっと運動したい・スポーツをしたいという目標を達成した人は33%で、未達の人は10%だった。

家族や友達と過ごす時間を増やしたいという目標を達成した人は60%で、未達の人は5%だった。

調査結果を見ると、あまりお金と労力がかからない目標(頻繁に休みを取る、家族や友人と過ごす時間を増やす)については達成度が高いが、労力とお金がかかりそうな目標(海外に住む、外国語を勉強する、本を書くなど)については、達成度が低いことが分る。

退職後の目標の立て方には工夫がいるということだろう。

達成が不可能・極めて困難な目標設定はストレスを増やすだろうし、簡単に達成できる目標ではモチベーションが高まらない。

継続的な努力を続けると達成できるというのが、良い目標設定なのだろう。そのような目標を見つけることができるかどうかが、happy retirementの分岐点になるのかもしれない。

中国の古典(礼記)には、「志は満たすべからず 楽しみはきわむべからず」という言葉がある。

私は夢や楽しみを極めてしまうと面白くないと解釈している。そうだ、とすると未達のゴールがあることは悪いことではないのかもしれない。

 ★  ★  ★

最近出版した電子本

「インフレ時代の人生設計術」 B00UA2T3VK

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遠い焼岳。3度目の断念

2015年05月05日 | 

焼岳(2,444m)は私にとって縁の薄い山である。今回で3度目の挑戦になるが、今回(5月4日)も雨模様のため、登山を断念した。

初回は2012年8月。この時は山仲間の長老の方が頂上手前で熱中症にかかり、careして下山に同行したため、登頂断念。

二回目は2014年3月。この時も中ノ湯温泉から焼岳を目指したが、雨で断念。卜伝の湯に浸かったのみで帰京。

そして今回が3回目。

前日乗鞍岳登山の後は山麓で水芭蕉を見物。

3時半頃中ノ湯にチェックイン。中居さんが「明日の朝食と上高地行の送迎バスの予約はどうしますか?」と聞いてくる。当初計画では「朝食の代わりにお弁当」で早朝出発の予定だが、雨雲情報を調べると翌日は雨模様である。無理をすることもないので、焼岳登山は諦めて上高地散策に変更した。

翌5月4日、午前8時のバスは満員。観光客に混じって今日は上高地山散策だ。

大正池でバスを降りて河童橋まで歩くことにした。

まだ雨は降りだしていないが、焼岳の頂上には雨雲がかかっていた。

上高地ホテルの手前で、新芽を食べているサルを見かけた。

カメラを構える人が多い。木の枝が邪魔をしてサルの表情をとらえるのが難しい。もっともそれは人間様の都合でサルとしては、身を隠している方が落ち着くのだろうから仕方がない。

浅い水たまりではカエルが繁殖活動に励んでいた。

河童橋の手前「上高地アルペンホテル」の前にコーヒー200円の看板が出ていたので、立ち寄ってコーヒーを飲む。

セルフサービスの小カップながら、お代わり自由なのでお値打ち感ありだ。

コーヒーを飲んでいる内に雨脚が強くなってきた。雨が強くなってきたので、今日の焼岳登山中止は正しい判断だった、と納得する。

中ノ湯までタクシーで戻り(料金3,300円)、レンタカーで松本に戻ると青空が広がり、暑い午後が待っていた。

家に帰ると市役所から「高齢者保険」の案内が届いていた。私も今月で65歳。そろそろ焼岳登山より、上高地散策の年齢だ、と妙な納得をした一日だった。

 

 

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残雪の乗鞍岳を満喫

2015年05月05日 | 

5月2日-4日で乗鞍岳と焼岳に登りに行った。

5月2日は正午に名古屋組と乗鞍高原のそば屋・中之屋で待ち合わせ。

今回は東京から5名のおじさん、名古屋から3名のおじさん+1名の妙齢の女性が参加。総勢9名の登山隊である。

蕎麦を食べた後、車で少し戻って、番所大滝を見学。

 

午後2時30分のシャトルバスに乗って位ヶ原山荘に向かった。

 翌5月3日快晴、風は西よりの弱い風である。5時30分に朝食を食べ、6時位ヶ原山荘を出発。200mほど道路を歩いたところでアイゼンを着装して、登山開始。6時15分である。
位ヶ原からの登り出しは急傾斜だ。ジグザグに登ると楽なのだが、トップを歩く連中は先に登った人のトレースを追いかけて直登する傾向が多い。「ひたすら上を目指す」のが好きな人が多いようだ。私は人生と同じく、ゆっくりgoing my way。汗をかかないようにゆっくり登っていく。
 
7時 標高2,607m地図上「肩の小屋口」となっている付近で小休止。夏道は雪の下だが、この付近にバス停があるようだ。
乗鞍岳が雄大な山容を見せる。
振り返ると八ヶ岳連峰や浅間山が見えた。
 
ここから乗鞍岳山頂の右手、朝日岳とのコルに続く雪の斜面を登っていく。ここにはトレースが多く残っている。
稜線にでると山頂は指呼の間だ。
8時52分乗鞍岳山頂3,025.6m到着。
北側には穂高連峰、槍ヶ岳など北アルプスの鋭鋒がそびえている。

南を見ると噴煙を上げる御嶽山が見える。昨年のGWは御嶽山の山頂までスキー登山をしていたことを思い出す。

御嶽山には噴煙が上がっている。

山の事故は紙一重の差で起きる。今日も無事に登山できたのはlucky以外の何物でもない、というべきだろう。

9時13分下山開始。肩の小屋の横でコーヒータイムを取ることにした。

9時48分肩の小屋到着。コーヒータイム。Sさん自家製のジャムをパンにつけて美味しいデザート。 10時28分出発。

肩の小屋からコロナ観測所のドームがある摩利支天岳の東側を目指して、残雪の斜面を80m(標高差)ほど登って稜線にでた。

足元に氷結した 不消(きえず)ケ池が見えた。

数分雪の消えた遊歩道を歩き、富士見岳手前の鞍部にでた。富士見岳の上から急斜面をボーダーが滑っていく。2年前は私もここから板を履いて35度程度の斜面に飛び込んだことを思い出し、胸が熱くなってきた。

堅雪、ザラメ、表面がグサグサの雪と雪の表情は刻々と変化する。その変化する雪面に対し、次々と技を繰り出して対応していく山スキーほど楽しい遊びはない・・・・

今日は板がないので真っ直ぐに雪の斜面を位ヶ原まで降る。

11時22分下山開始。

尻セードを楽しむ人もいる。私は愛用のファインテックのパンツが摩擦で摩耗し撥水力が落ちることを懸念して尻セードは見送った。

12時位ヶ原山荘到着。ラーメンを作って次のバス(1時半)までの間時間を潰した。

【装備について】

朝は雪が固かったのでアイゼンを着用したが、降り(10時半頃)では雪が柔らかくなったので、私はアイゼンを外してキックステップで降ったが問題はなかった。乗鞍岳の斜面はスキー場の斜面程度なので、スキー場での登り降りを前提に判断すれば良いと思う。

服装については、アンダーウエアは速乾性の化繊下着。シャツ1枚と沢登り用のファインテックのパンツ。休憩時に薄いダウンジャケットを羽織れば十分だった。手袋は朝は薄いウール、途中から軍手に替えた。

★   ★   ★

位ヶ原までバスが開通した後の乗鞍岳登山は安全で楽しい。山スキーやボードのメッカでもある。だが今回見ていると思ったほど山スキーヤーやボーダーはいなかった。

彼らはどこか別のところに行ったのだろうか?

2,3年後にまた乗鞍岳には来ようと思う。その時は山スキー板を持って行こう。

もっとも今日一緒に乗鞍岳に登った連中の内、何人が板を履いて雪の斜面を舞い飛びたいと思ったかは分らないが。

グーグルアースに軌跡を取り込むと下図のとおり。

 

 

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