Tefloテフロンはフッ素樹脂を使ったデュポン社の商品名。200度以上の高温にも-100度の超低温にも耐えるという優れもので、テフロン樹脂を使ったフライパンは焦げないので、家庭でよく使われている。
欧米人はテフロンを「強いもの」の比喩として使うのが好きなようで、ドイツのメルケル首相もTeflon Melkelと呼ばれることがある。
さてCNBCにWhat Disney,Apple,and Facebook in commonという記事の中で、In some ways, they are kind of like a Teflon portfolio of U.S. consumer stocks.という一文があった。「ディズニー、アップルそしてフェイスブックは、米国の消費関連銘柄の中でテフロンのように強いポートフォリオ(銘柄)だ」という意味だ。
昨日(5月14日)米国株市場では、S&P500が新高値を更新したが、CNBCの記事によると、ディズニー、アップル、ナイキ、スターバックス、フェイスブックなどこれまで相場を牽引してきた優良銘柄は決算発表の後、高値から平均して5%ほど値を下げているという。つまり何がこれらの優良銘柄に共通しているか?what in commonというと、市場全体が値上がりしている中で、値段を下げていることが共通していると言う。
このチャートはS&P500とディズニーの過去5年の株価の動きを比較したものだ。最近時の細かい株価の動きは読み取り難いが、長い眼で見るとディズニーの株価の強さが良く分かる。
ではなぜこのところこれらの優良銘柄の株価が伸び悩みあるいは若干低下しているのだろうか?
一つはこれら優良銘柄に投資してきた投資家が含み益を実現するために売っていることが考えられる。
またこれらの銘柄の株価収益率(PER)が、過去のトレンドや業界平均に較べてかなり高くなっていることも理由の一つだ。
例えばディズニーの現在のPERは23.5倍で、同社の過去5年平均の21.4倍やS&P500 の平均PER21倍より高くなっている。
最近連銀のイエレン議長が「現在の株式市場のバリュエーションは極めて高くなっている」と警鐘を発したことも、PERの高い銘柄の売りを誘っているのかもしれない。ディズニーなど成長性の高い会社のPERは総じて高めになるので、PERが高い会社の株を警戒して売るということは、成長性の高い企業の株を敬遠することになると思うのだが・・・
先ほど紹介したSNBCの記事は、「多くの投資家がディズニーやアップルなどの優良銘柄の株を買い進めた結果、株価が高くなりテフロン効果が摩耗wear offしているのかもしれない」と述べていた。
しかし私は個人的には多少持っているディズニーの株については、まだ売り時ではないと判断している。株価の割高感や個々のビジネス(ケーブルテレビ等)に多少の問題はあるものの、全体としてはブランド力の強さなど極めて「テフロン的」な強さを持っているからである。
ディズニーだけでなく、アップル、ナイキなど米国を代表する銘柄は、私はやはりテフロンポートフォリオだと考えている。
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