最近天気予報で50年ぶりの豪雨などと聞くことが多くなった。天気予報の場合は50年ぶり、というのは良くないことが多いが、50年ぶりの低失業率というのは掛け値なしに良い話である。最近の雇用統計では非農業部門雇用者増が注目され、失業率の注目度は低かった。しかしさすがに50年ぶりとなると記事のヘッドラインを飾ったのは失業率である。
昨日(10月4日)発表された雇用統計によると、9月の失業率は3.5%で、8月の3.7%からさらに低下した。これは1969年12月以降で最低の水準だ。一方9月の非農業部門雇用者増は136千人で市場予想より低かったが、7,8月の雇用者数が上昇修正されたことから米国の雇用は底堅いというムードが広がり株式相場は大きく上昇した。
ISM製造業市指数など弱い経済指標発表に伴い大きく下落していた米国株式相場は負けを相当取り戻し、S&P500の週を通してのマイナスは0.3%にとどまった。
昨日の雇用統計は「米国の雇用は底堅いけれど、連銀の金融政策に影響を及ぼすほどのものではない」と市場参加者は判断したようだ。むしろ年内に後2回政策金利の引き下げがあると予想する人の割合は40%と前の週から倍増しているようだ。
一方連銀が景気後退を懸念して予防的な金利引き下げを続けると、本当にリセッションが起きた時、金利引き下げを行う余地がない、と懸念を示す声もでている。
座り心地の良い雇用統計で米国株相場は一息ついた感があるが、この座り心地の良さは長続きするものではなさそうだ。