昨日(10月11日)の米国株は躍進。ワシントンを訪問中の中国の劉鶴副主席との間の貿易交渉が進展を見せたからだ。
合意事項は中国がアメリカからの食料品購入を増やし一方、アメリカは今月15日に予定していた中国からの輸入品の約半分に課している関税25%の30%への引き上げを延期すると発表した。
また昨日英国のジョンソン首相がアイルランドのバラッカー首脳と会談し「合意に向けた道筋は見えている」と交渉継続を表明したことも好材料だった。
今世界の投資家を悩ませている2つの問題に明るさが見えたことで気の早いストラテジストは「これまでの地政学的なリスクが解消された時の株価の反発の例から見て、今後株価は10%程度上昇するのではないか?」と述べている。
一方今回の米中間の貿易問題合意はBite-size(一口サイズ)に過ぎないし、また合意を文書化する過程で意見の対立が起こりうるとリスクオフに前のめりになるのを警戒する声もある。
豚肉や大豆等食料品の対中国輸出が話題の中心だったので、Bite-size(一口サイズ)という表現が面白かったのでちょっと紹介した。
で中国が米国からどれ位食料品の輸入を増やすかというと少なくとも現在の輸入量の倍は輸入するということだ。2017年に中国がアメリカから輸入した食料品は約200億ドルだから中国は400億ドルから500億ドル程度の食料品をアメリカから輸入することになりそうだ。一口サイズと呼ぶには少し大きいと思うし、米国の農家や農機具メーカーにとってはビッグディールだと思う。
トランプ大統領としても米中貿易問題に解決の道筋を示すことは、大統領選挙に向けて大きなプラス材料だと思う。
もっともこれは私の心に中に「このあたりでリスクオフモードになって欲しい」という願望があるので、一口サイズのお肉が大きく見えるのかもしれないが。