新聞などのオンライン購読は入口は至って簡単だけれど解約するのは手間がかかる、というのが通り相場だ。
これは怪しげなサイトだけでなく、一流メディアについても当てはまる法則?だ。少し前に私は長年利用していたWSJのネット購読を解約することにしたが、やはりちょっと手間がかかった。解約方法はヘルプページを見ると分かったが、解約は電子メール等では駄目でカスタマーデスクに電話で申し入れる必要がある。日本にカスタマーデスクがあるので、日本の営業時間内に電話すると良い訳だが、購読を開始する時はオンライン上で24時間いつでも可能なのに、解約する時は9時ー5時といった営業時間内に電話をしろ、というのは入口と出口では門構えが随分異なっていると言わざるを得ない。
サブスクリプションを開始する前に解約方法をチェックしておくというのは、手堅いやり方だと思うが、それで万全ということもできないだろう。何故なら解約方法は業者の匙加減で変わってしまうからだ。昔一度ほぼ何かの手違いでアメリカのベンダーのオンラインストレージを利用してしまったことがあったが、この時は解約に苦労した。アメリカの営業時間帯にカスタマーデスクを呼び出し、英語で解約交渉をしたからである。昔の話なので記憶は定かでないが、どこかで解約方法が変わったのだろうと私は記憶している。
さて昔は経済ニュースの情報源として重宝していたWSJだが、経済ニュースを見るだけであればCNBCなど無料のサイトがあるし、ニュースの速さではBloombergなどに較べるとはるかに遅い。WSJへの期待値も変わっているのだろう。
敷衍していうとネット上の色々なサービスは旬の時期が短くなっているので、移り気なユーザは旬を過ぎたサービスはすぐ解約しようとする。
一方サービスを提供するベンダー側としては、法と常識の許す範囲で少しでも解約のハードルを高めようとしている、と私は感じている。行きはよいよい帰りはこわいのである。