昨日ボランティア団体の応援要請で2人のベトナム人研修生に日本語を教えました。研修生というのは2人はある建設会社で研修生としてこれから3年位働く予定で5月に来日したからです。5月に来日して7月一杯は語学研修を中心とした研修活動を行う予定です。
今私はカナダから来た人と台湾から来た人にボランティアで日本語を教えていますが、カナダの人はいうまでもなく台湾の人もかなり英語ができますので、英語を交えながら日本語のレッスンを行っているのでレッスンに不便を感じることはありません。また英語と日本語、中国語と日本語の間ではGoogle TranslateやDeepLという翻訳アプリが利用できるので、日本語の自習も簡単です。
ところがベトナムの二人はほとんど英語が分かりません。また二人とGoogle Translateの実力を調べたところ、短い文章でも誤訳が起き、あまり使えないという印象をベトナム研修生は持ったようでした。ちなみにDeepLはベトナム語を扱っていません。
ただ二人の研修生はベトナムで半年ほど日本語を勉強してきてひらがなを読むことはできます。ただ読んだ言葉の意味を理解しているかどうかは別ですが。また時計を見て時刻を日本語で言うなどある程度定型的な言い方はできます。ただし自分の考えを述べたり、質問を行うのは相当苦手なようでした。
このようなメンタリティは同じ米食人種である日本人と共通しているのかもしれません。
でもそれでは日本語学習が進みませんから彼等に幾つかの提案をしました。
- できるだけ短い文章で話す練習をしましょう。
- 毎日学習したことをひらがなで箇条書きに書いてみましょう。
ところが「箇条書き」が中々伝わりません。Google Translateによると箇条書きはDanというベトナム語になるのですが、研修生は首をひねります。後で調べてみるとDanは「群れ」という意味だそうでした。
結局紙に「1.・・2.・・3.・・」など実例を示して理解して貰いましたが、ひょっとすると彼等が今まで箇条書きを重視するような教育を受けていなかったのかもしれません。
ペラペラと外国人向けの日本語テキストブックを見ても箇条書きをそれほど重視しているようには見えませんでした。
- 体調不良など困ったことはすぐ会社(やがて職制に組み込まれていくと上長)に具体的に簡潔に報告しましょう。
- そのために会社生活や仕事に直結する日本語から勉強していきましょう
日本語は世界の中で難しい言語だという人がいますが、これは正しくありません。語彙数では英語の方がはるかに多いですし、発音の複雑さでは中国語の方がはるかに難しいでしょう。日本語は決して難しい言葉ではないのです。難しくしているのは、既存の教科書は検定試験なのです。敬語や謙譲語などを盛り込むと学習経験の乏しい外国人は混乱します。
でも日本にきて間もない研修生の方はあまり気にせずに丁寧語を中心に使いながらまず、自分の言いたいことを具体的に簡潔に話する力をつけることが一番大切なのです。
さてこのような私の話が若いベトナム人研修生に届いたかどうかは分かりません。半分位届いていればよいなぁと思いましたが・・・・