敬老の日の三連休をはさんで2日会社を休んでいた。市場に大きなインパクトを与える出来事は休みの最終日米国で起きた。一つは連銀のFF金利0.5%引き下げでもう一つは市場予測より良かったリーマン・ブラザースの第三四半期決算である。この決算により金融市場の混乱の最悪期は脱したと投資家は判断した。以下FTの記事のポイント。
- リーマンの株価は今年2月以降30%下落していたが、10%上昇し64.49ドルで引けた。リーマンの利益は低い税率と債務の時価減額を利益として計上する新しい会計ルールにより拡大した。
- リーマンの第三四半期の利益は887百万ドル、一株当たり1.54ドルで前年同期より3%減少しているものの、アナリストの予想(一株当たり1.47ドル)を上回った。
- 株式業務、投資銀行業務、資産運用業務の収益が固定利付債業務(サブプライム住宅ローンなどを含む)で半減した利益を補った。
- アナリストはリーマンはローン・コミットメントの5,6%の償却を行っていると見ている。
- リーマンのディック・ファルド会長は「困難な市場環境にも係わらず、我々の業績は事業分散効果とリーマンのフランチャイズの金融面の強さを示した。同時に我々の事業環境サイクルを超えてパフォーマンスを上げる能力の高さを示した」と述べた。
さて今週はモルガンスタンレー、ベアスタンーズ、ゴールドマン・ザックスといった投資銀行の四半期決算が相次いで発表される。総てが市場に安心を与えてくれるかどうか注目されるところだ。
The worst is behind us!と言えるかどうか・・・・
リーマンの株価は年初来2割の下落という計算になる。2割下落というと邦銀株が3月から今月18日までに2割下落している、これは日経平均の9%下落よりきついと今日の日経新聞に書いてあった。サブプライムローン問題の影響がほとんどないといわれている邦銀が渦中のリーマン並に下落しているというのは腑に落ちないし情けない。
邦銀も米国の投資銀行のように事業分散を図り、景気や金融のサイクルを超えて利益を上げる能力を示してもらいたいものである。