金融そして時々山

山好き金融マン(OB)のブログ
最近アマゾンKindleから「インフレ時代の人生設計術」という本を出版しました。

今、どう資産を配分するの?

2007年09月21日 | 金融

昨日ブログに次のようなコメントを頂いた。

米国がリセッションに向かう確率が1/3と取りざたされています。米国がリセッションに向う危険が高いとき、私たちの金融資産のアロケーションはどうするのが良いでしょう。アドバイスをお聞かせ願えれば幸いです。特に金融資産を外貨(ユーロや高金利通貨など)にしておくのは良い対策と言えるでしょうか?

以下のような前提の下で私の考えを述べてみたい。なお当然のことながらこれは今の時点での個人的な判断であり、投資の安全性や収益性について何らの保証を与えるものではないことをご承知おきください。

  • ある程度ミドルリスク・ミドルリターンを目指す。
  • 資産の運用期間が中長期で中途換金の必要性が低い。
  • リスク(運用期間中に資産の評価額が目減りすること)に対する許容度がある。
  • 世界の経済・政治状況の変化に弾力的に対応していくことができる。

お勧めできる資産クラス

ユーロ建ての短期金融商品(MMFなど)、アジア等新興国株式を対象とする投信、エネルギー・食料等のテーマに特化した外国株投信

私がクスポージャーを落としたいと考えている資産クラス

米ドル建ての短期金融商品、日本株(ただし資源・海運等いくつかのセクターは注目したい)、豪ドル・NZドル等マイナーな高金利通貨商品

【上記判断の理由】

  • 米国景気については、リセッションが起きる可能性が半分位はあるのではないかと考えている。理由は今までが順調過ぎたこと。山高ければ谷深し。また連銀はリセッションを回避しようとして連続的な金利引き下げを行う可能性大。従って米ドルは他の通貨に対して弱くなると判断する。
  • 金利引き下げはインフレ懸念を生む。原油、穀物価格が一層上昇する可能性は高い。
  • ここ数年間欧米諸国では住宅ブームが経済成長を牽引してきたが、米国と英国ではサブプライム・ローンに見るようにレバレッジの度合いが高い。それ故住宅不況に陥ると経済に与える影響が大きい。大陸欧州はそれ程住宅にレバレッジがかかっていないので英米よりはマイナス影響が小さい。
  • 住宅バブルがないのは(一部例外はあるにせよ)アジア諸国。アジア諸国については米国のリセッションの影響を受けるが国内市場が拡大しつつあるので、クッションがある。
  • アジア諸国については成長余力が高いので、株式投資対象としては最も妙味がある。日本については米国がリセッションに入ると実物経済と株式投資の両面で影響を受ける。政治が経済改革路線から後退することもマイナス要因。世界の投資家は日本が政治経済面でどれだけ真剣に少子高齢化に取り組むかを見ているが、今の政治は私には問題先送り型に見える。

以上簡単ですがご質問に対するご回答にさせていただきます。

コメント (2)
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